波をうったような草(チヂミザサ)が 穂を伸ばし、
小さな白い花を 咲かせていた。
美しいコケは、
一部分が、何者かに 掘り返されていた。…
ジグゾーパズルの ピースのように、…
千切られ、散らばっていた カケラを、…
えぐり取られた 地面の上に 置いてみた。…
先月の下旬、
家の前で、怖い目に遭った。
夜、10時近くに帰宅し、
(集合住宅のため)屋外にある ポストから中身を出して、
それらを 確認していたとき、
近づいて来た 人物がいた。
『100円ショップはどこですか?』
説明したが、
その人物は、立ち去らなかった。
(話し方が まずかったのか?)
道が見える所まで 歩いて行って、
手を使って、説明した。
それでも、相手は立ち去らない。
礼を言うでもなく、
目を見開いて、異様に笑っていた。
『びじんですね』
(意味が分からない。どこの言葉?)
(反射的に 自分は答えていた)
「お世辞はいらない」
『びじんですね』
「お世辞はいらない」
2度、同じ会話が 繰り返されれば、
鈍い自分にも、状況がわかった。
相手の 異様な 笑い顔の 意味するところが、わかった。
(しまった!)
いつもは、ダボッとした上着を来て、
カラダの線(ムネやコシ)が 出ない服装を 心掛けているのだけど、
その日は、暑さの余り、
ダボッとしたTシャツに、空気(熱い)を孕ませたくなくて、
ウエストを 絞る形で、スカート(厚めの生地を タップリ使って、コシの線が 露骨には 見えないはずのフレアースカート)を、着ていた。
ムネの線が、隠せていなかったようだ。
深夜、道端、女1人。
油断と云われれば、そうだろう。
たちんぼ(街娼)と間違われたことが、
以前にもなかったか?
白髪混じりの 化粧気のない四十女でも、
宵闇では、若い女や 誘う女と、区別がつかない。
(この若者を、性犯罪者にしては ならない)
(痴漢のファンタジーは、女が 人格を示せば 消えてしまうと、ミシマが言っていた)
『なにしてるの?』
「合気道だよ」
『ちょっと、怖いね』
「そうだよ、油断すると危ないよ」
「あなたは? 学生さん?」
『学生じゃない。予備校生』
「それは大変だね」
「どこに住んでるの?」
『あっちの方』
「勉強大変だね、どこ狙ってるの?」
『それは言えない』
相手は 下を向き、背を向けた。
「言えないか…」
「頑張って!」
相手は、去っていった。
実害は なかったのだが、
異様な笑顔が、目に焼きついて、恐怖を覚えた。
それは、以前に遭遇した、
ファンタジー(女の人格を無視した、男の欲望だけを満たす)世界の住人たち、
私を その狂気の世界に、引きずり込んだ奴等と、
同じ貌(表情)だった。
古傷が まだ癒えていないから、
そんな程度の衝撃で、
何日も、苦しむ羽目になる。
そんなこんなで 処方してもらった ハーブは、
・オリーブ…元気をいただこう
・西洋赤松(パイン)…罪悪感を手放そう
・野の烏麦(ワイルド オート)…本道へ戻ろう
・落葉松(ラーチ)…失敗をおそれず進もう
・山林檎(クラブ アップル)…自分を赦そう
・オオアマナ(ベツレヘムの星)…ショックを和らげよう
・西洋トチノキ(ホワイト チェストナット)…心の牢獄から脱け出よう
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