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2012-10-04(Thu)

しますえ よしおさんの「初恋のニコラ」 朝吹 タツヤさんの「愛の旅」

黒に銀色の上着が似合う 朝吹さんの歌声は、
雄太さんのピアノと 同じくらい、
若々しく、瑞々(みずみず)しかった。

いつか、しますえさんが、
『朝吹さんが唄っていた「青春」と云う歌を、取り上げてしまいました』と話し、披露して下さったけれど、
(それは 道理だ)と思った。

青春の氣にあふれた表現者に、
青春を懐かしむ歌は 早すぎる。

薔薇色の衣装の しますえさんの「ラ・ボエーム」を じかに聞くと、
冬が来ても、凍えずにすむような気がするから 不思議だ。

「エトランゼ(異邦人)」
作詞・作曲し、歌い手でもある さだ(まさし)さん(本人)の解説つきで、
昔、ラジオから流れてた。

ただ もう悲しく、胸が締めつけられるように感じ、
また聞きたいとは思わなかったのに、
何故か 忘れられず、
ときどき 頭の中で、再生されていた。

(何故、別れた人のアルバムを もらいに行くの?)
(私なら行かない…)

分からないから、
忘れられなかったのか?

あまりにも 打たれ強い私には、
繊細で傷つきやすいけれど美しい、人の心の綾みたいなものが、
…よく分からない。
分からないから 惹かれるのかも?

しますえさんの声で聞いた その世界は、
ただ悲しいだけでは なかった。
太陽も、眩しいだけでは ないようだった。

からだに「基礎代謝」なるものが あるように、
こころにも、必要なエネルギーの流れがある。

それは、信頼とか 安心とか、愛と呼ぶ人もいる、
肯定のエネルギー。
命を育み、和ませたり、発酵させる。

大人(私)が それを忘れず、
知恵足らず 過ち多き者(自分)や、
飢えたる人(自分)や、
笑いを忘れた 傷深きこども(昔の自分)に、
あたたかい眼差しを 向け続けるならば、
人の世から、不毛な争いや、奪い合いが減り、
父なる空や、母なる自然界の苦しみも、減るだろう。

そのために、心の栄養が要る。
心の飢えが解消されれば、
人(私)は、
肉食昆虫や 肉食獣以上に、むさぼる必要がなくなる。

去年の今頃、『蟻ん子』は、私には 遠い世界だった。
(シャンソンは分からないのに、シャンソンを使った風刺や冗談音楽には 馴染んでた)
(毒に漬かりきってる自分だから…)
(泥くさく、皮肉な笑いを含むものや、死の陰のあるもの以外は、受けつけないかも)
そんな おそれは、杞憂だった。

良質な氣(歌)には、
悲しく 寂しく 重い氣を、軽くする力があった。
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