盲導犬を連れた 紳士が、空席に気づかず 通り過ぎたので、…呼びとめた ことが あった。
空いていた席は、私の隣だった。
彼の足元に 座った 盲導犬の様子が、気になった。
前足を 内側に ねじ曲げて、震えていた。
関節の外側には、擦り傷らしきものも あった。(左右、両方の足に)
「足に、怪我を したのですか?」と 思わず 聞いた。
「このこは 電車が苦手で…」とのこと。
適性があって 賢くて 仕事を楽しめる 仔犬だけが、選ばれて、厳しい 訓練に耐えて、…やっと 盲導犬になれるのにね。
はじめから こんなに怖がりなら、盲導犬には、なって いないのにね。…
誰かが 酷いことを、(故意か、気づかずに)もの言えぬ ヘルパーである あなたに、したのですね?
こんなに 怯えるほど。…
私たちが、…
見える者 = 晴眼者(せいがんしゃ)とか、健常者と名乗っている、思い上がった…(助けを 必要としている仲間に、気づかない)私たち人間が、…あなたを 苦しめる世界を、作ったのですね。
(T-T) ごめんなさい
紳士は、名刺のような カードを下さった。
その人は 音楽家だった。
お礼状を 送らせて戴いた。(久しぶりの 点字で いささか緊張した)
時折 あの沿線で行われる コンサートの 案内状が、届くけど。…まだ 行ったことがない。
もう少し、もう少しだけ、…時間と お金が あるといいと思うのは、こんなとき。
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