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2010-02-25(Thu)

読めてよかった

物流センターのアルバイトだったとき、アウトレット品(食器)の荷造りをしたことがあった。

パート・アルバイト(ほぼ全員 女)が、お尻をぶつけあいながら(通路が広くなかった)、
段ボールや エアーパッキン(プチプチした 空気の粒が ついた ビニールマット)と格闘する場所で、…
人であることを 情けなく思う私と、そんな自分を 責める私がいた。

アウトレット商品は『訳あり』だから安い。
高級食器(陶器)を そのまま出荷することはできないので、
陶器の 絵つけに 難があったり、小さな傷があれば、そこにシールを貼り、…
もし、何の問題も 認められない場合は、…
陶器の裏や 底に、刃物で 傷をつけるよう指示された。

これが辛かった。

「職業欄はエスパー」と云う 文庫本の表紙は スプーン。(柄が よじれ曲がった写真)

スプーンを、スプーンとして使わず、柄を曲げて 壊す人を、私は好きじゃなかった。

でも この本の中で、それを(役目のように) 求められ続けた人が、…
スプーンに「ごめんな」と思うようになったと知り、私は 少し 救われた思い。

食器を 安く売るため(仕事で)、傷つけることを 嘆く私を、…私は、傲慢だと ずっと責めていた。(少しばかり、許された気がする)

この本は、筆者の森達也さん(ドキュメント映像を 作ってきた人らしい)と、3人の異能者の、友情の記録みたい。

懐疑ではなく、完全否定派の 学者2人の文章が 引用されている。
その学者のひとりが書いた本を、私は2冊持っていた。
(お守りのように)

その本は 強引だったけど、
『正常な人間とは、こう云うもの』と云う基準が 分からず、知りたかった私の よりどころだった。

それが、ガリレオを否定した 古い時代の 学者の本のように、思えてきた。

(特殊能力(透視能力など)があるなら、バラート・クラーラさん(欧州の能力者)みたいに、警察に協力して、未解決事件の被害者を助けてあげて、…と思ってしまう。

去年 日本の能力者(バラート・クラーラさんと 年齢が近そう)の本を読んだら、
『警察に協力したことはある。でももうしない。私の力は死んだ人のためではなく、生きてる人のために使いたい』とあった。
嘘くさいと思いつつ、藁にもすがりたい私は、その人の事務所に電話し、電話相談2万円、面談5万円と言われた。

『生きてる金持ちだけを 相手にする商売』に思われた。
悩める者を対象に 本を書き、本で 救済されない読者は、金額の壁で 選別する システムですかと)

この本で、日本には、異能の人を認めたくない(トリックと決めつけたい)空気が、あると知った。

研究者ほど だまされやすいのです、と云う記述があった。その理由は、読めなかった(私には)。

ある能力者の子ども(赤ちゃん?)が、はじめての家族旅行で興奮したとき、宿のスプーンを ぐにゃぐにゃに してしまったと云うエピソードが、なんとも言えない。
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