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2011-06-27(Mon)

ラジオの話 ⑧

「そして まず、根が出て(※ 根が ある程度 伸びた後に)、上が出ます」
「はじめは 密植効果で 大きくなって、その次は 自然淘汰によって、木の特性において、高木、亜高木、底木、下草」
 さっき言った、全部ね、ワンセット。

「それで、大事なのは、密植・混植で 枯れるじゃないか、…それが大事なんです」
「無駄は ありましぇん」
「それ(枯れた木)は、分解されて、養分となって、すべて、森を支えるために 役立つんであって」
 枯れた木はね。
「この自然界に、邪魔ものは ない はずなんです」

 で、この 宮脇方式の植林は、何が良いかって云うと、
 密植すると、今 言ったように、競争するんですよ、お互いに。
『はい』
 僕、テレビで見たとき、こんな、くっつけて植えたら、あかんやろ、…と思ったんですけど、
「はは」
 くっつけて植えると、木は みんな、必死で競争するんです。
 勝った 負けたで、負けた方は 肥やしになるんですけど、それで…
「負けた と言わないで下さい、それは、役目を果たして…」
 役目を果たして、
「肥やしになったんです、はい」
『強い方が、より逞しく 育っていく』
「はい」

 で、宮脇方式の植林は 何が良いかって云うと、ま、最初の2〜3年は、ちょっと 手入れが要るんですけど、後は、放っとけばいいんです。
 何も しなければ、木どもは ですね、必死に競争して、共生してくんです。
『手入れは要らないんですか?』
「手入れが要るのは にせものですよ」
「化粧は 毎朝つけなきゃ…」
「化粧がハゲたのほど いやらしいことないでしょう?」
 だって昔、人間 いなかったんだから。
『ああ そうだ』
 森は 自然に生きて、…
「おっしゃる通りです、はい」
 生活して、…人間は、かえって いない方がいい(※ 自然環境が受けるダメージは 少ない)んですよ。
『はあ』

「木を植えて、3年、5年 経っても 管理が要るのは、にせものと…」
「表現が悪いけれど、土地本来のものじゃない!」
「極端に言えば にせものであります」

 よく 今、里山ブームで、里山のことを言いますけど、ま、雑木林ですけど。里山って云うのは、基本的に、人間がねぇ、薪を作るために 作ったようなものですから、
「そうです」
 行っていって 木を からないとね。
「20年に1回、伐採した。化学肥料がない(※ 時代に、農作物の収穫量を上げるために、天然の肥料として 需要があった)から、2年に1回、下草刈りして、田んぼや 畑に入れた」
「そう云うことによって、セカンダリー フォレストとして、持続してきたのが、里山の雑木林で」
「管理ができれば、ひじょうに これも、まあ 多様性に富んでますけど、管理ができなかったら、薮になって、大変な、山が荒れた 状態に なります」

 まだ 時間ありますから、もうひとつ 貴重な話を おうかがいしたいと思うんですけど、
 さっき その、ヨーロッパでね、羊やなんかを 森に 放牧したもんだから、みんな下草 食べちゃって、木も枯れちゃって、
 なんか 芝生みたいのが ピャーって広がっちゃった、でしょ。
 それを 日本人は、綺麗な景色だと思っちゃった。イギリスの、ヒースが 広がってる景色とかね。
『はい』
 それで、日本で公園を 作ったときに、芝生の公園を 作った訳。
『はい』
 木が ポツンポツンと生えてて。
『はい』
 それはね、実は、ダメになった 森の残骸を、日本は 公園にしたんです。
「そう、荒れ野 景観、はい」
「パルク ランドシャフト(Park Landschaft)、ドイツ語で言うのは、荒れ野 景観なんですよ」
 荒れ野です。
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