『面がわりしている、ただごとではない』と、弟の奥さんの親から、実家(弟の父)に 電話があったそうだ。
そんな話を、父の日に、実家で 聞いた。
両親と、(3人きょうだいの)末っ子は、
弟(長男)の 飲酒による暴言などに 振りまわされ、傷つき、今や、…
『あいつは いつか、野垂れ死ぬだろうが、仕方がない』と言う ありさま。
奥さんに、見舞いの電話をしたら、
『彼は 鬱病から復職中』とのこと。
『拒食ぎみで、人相が変わった』
『大事なときに お酒を飲んじゃう 彼の気持ちが、分からない』
『私は問題ない。元気に明るく働いている。でも、彼の お酒の問題では、人に言えないことが たくさんある』
『お義父さんが、厳しく言えば、彼は お酒を止めると思う』
『末っ子ちゃん(医療従事者)が、優しい言葉を かけてくれればいいのに…』
電話をしたのは、彼女を ねぎらう気持ちからだった。
(弟の 酒ぐせ・暴言が ひどくなってから、家族全員が 集まる機会(元旦の祝い)は、なくなった。
だから私は、もう何年も 弟夫婦に会っていない)
約1時間ほど 彼女の話を聞き、彼女に 楽になってほしくて、私は 最後に言った。
「弟は、アルコール依存症だと思う。それを治療しないと、鬱病も 根本的には治らない」
「末っ子ちゃんや 両親は、傷ついて 疲れ果ててる。期待しない方がいい」
「専門家の手を 借りた方がいい」
最悪なことに、彼女は 私の助言を、そのまま 弟に伝えたらしい。
アルコール依存症者が、病気を進行させてしまうのは、
『自分は 慢性アルコール中毒なんかじゃない』と信じ、治療を拒み、…
傍若無人な 振る舞いで、周囲の人を 苦しめ、泣かせながら、…
自分が原因とは 思わず、…
諭されたり、不快感を示されると、
『侮辱された』などと 逆上して、人間関係をブチ壊し、厳しくなってゆく現実から 逃れるために、ますます 酒に頼るとき。
依存の自覚がない弟に、
『あなたは依存症』などと言ったら、逆ギレ(逆恨み)されるに 決まっている。
義理の妹は『アルコール依存症の治療施設は、もう知ってるの。彼と一緒に 調べたことがあるから』などと 言っていたが、…
後から考えれば、彼女は物語っていた。
問題意識の稀薄さ(危機感のなさ)を。
彼女は、弟が 節酒すればいいと、軽く考えている。
アルコール(と云う 薬物)に対して、もう コントロール(節酒)が できなくなったからこそ、
弟は 飲み続け、嘘・暴言・醜態を、重ねている と云うのに。
断酒できなければ、弟の命は あと10年が限度だろうと、私は思っている。
(そう云う データもある)
中毒者に 巻き込まれ、被害者意識が強くなっている(自己憐憫に 陥っている)人は、
中毒者と 同じような、自己中心的な 発想が、できるらしい。
気を抜いて話しては、まずい相手だった。
彼女の言葉…
『大事なときに 飲んじゃう 彼の、気が知れない』
…それは、アルコールと云う 薬物について、理解が足りないから。
アルコール専門の病院に 足を運んだり、…
酒害相談に行ったり、…
断酒が続いている 依存症者の体験談に、耳を傾ければ、…
いやでも 分かるようになる。
『私には 問題がないけど、酒乱の夫を持って、人に言えないことだらけ』
…アルコール(薬物)について 理解していない人が、中毒者の世話をすれば するほど、
中毒者と 世話をする人の かかわりは、不健全になってゆく(互いに、無意識に、相手を操ろうとしたり、利用する)。
周囲から乖離し、治療の機会を 逃してしまう。
『お父さんが 厳しく言ってくれれば』
…親は もう、何度も説教して、徒労に終わったから、無気力になっている。
『末っ子ちゃんが 優しくしてくれれば』
…暴言を吐き、傷つけたままの相手から、優しくしてもらえると期待できるのは、
相手の気持ちを 考えていない(依存症者と 自分のことしか、考えられなくなっている) からよね。
『お正月に 集まらなくなって、お義母さんの 負担が減って、良かったと思う』
…父の気持ち、姉の気持ち、末っ子の気持ちは、眼中にないのね。(想像力が 働かないのでしょうね)
臨床心理士のオフィスに 足を運び、姉(義姉)として、今後 できることは ないでしょうか と尋ねてみた。(カウンセリング料金 2万円)
『貴女は、もう充分 なすべきことをしました』
『貴女に出来ることは、もうありません』
…と言われた。
『もう お前は何もするな』と、父は言う。
『もう いいから』と、母も言う。
自分の健康も、懐具合も あやしい人間が、他者に構ってる場合じゃないと言うのだ。
(臨床心理士までもが そう言う)
これ以上 私が何かしたら、人間関係依存症とか、境界性人格障害などと、精神分析されてしまうのでしょうかね。
弟の奥さんには 嫌われたようで、留守電に伝言したが、なしの礫(つぶて)。
だけど、…
命に かかわる 病気の人間(弟)と、彼に 振りまわされている人間(義妹)を、孤立させてて、いいことが ありますかね?
なまじ 家族だと思うから、匙を投げたくなるのじゃないですか?
私は もう、弟夫婦には 働きかけないけど、
酒害の関係者として、己の心を 鎮めることは 試みる。
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