「日本人は 唯一、世界で 4千年 このかた、新しい集落、町づくりには、一方(※ では) 私苑を 開発したけど、必ず、ふるさとの木による、ふるさとの森、鎮守の森を、作ってきたわけです」
「中には、にせもの(※ 潜在自然植生に あてはまらない木)も 植えたかもしれんが、長い時間の間に、台風や、地震や、虫によって、あるいは 火によって、消えてなくなって」
「限りなく 自然に近い、土地本来の 潜在自然植生の 主木が、残ってるわけです」
キレイな 芝生の公園、すぐ 造っちゃうのよ、日本は。
あれはね、駄目になった 森の残骸を、見本にしている と言っていい。
「しかも、永遠に 管理が要りますし、緑の表面積は、森の30分の1 しか ありましぇん」
「防音機能も、集塵(しゅうじん)機能、空気の浄化、水質保全機能も、30分の1 しかない」
「いわんや カーボンの吸収固定機能は、何百分の1 しか ないわけです」
CO2 の話ですね。
「はい、CO2、はい」
ありましぇん、…しぇんって、それ 岡山弁ですか、先生?
「そうなんです、だから、だから、…まじぇる(混ぜる)かい、しぇんしぇい(先生)と、今でも 学生、よく言ってます、しぇんしぇい(先生)と」
『うふふふ』
植えるとき、まじぇる まじぇる(※ いろんな種類を 混ぜて植える)…
で、僕は、港区に住んでるんですけど、
「はい、はい」
最近、港区がですね、街路樹にね、ハナミズキを 植えてるんです。
「ああ」
はっきり言って、あれ、アメリカ ハナミズキです。
「あれはね、アメリカでは ドグード(dogwood)と 言うんです」
ドグードです。
「犬(dog)とか 猫とか つくのは、ろくな木じゃない(※ 日本の潜在自然植生の 主木ではない、それを支える木でもない)んです」
クヒヒ、バシッ(机を叩く音)
『えぇぇぇぇぇぇぇぇー』
ドグードって、真っ直ぐ 伸びて、見かけは キレイな 白い花が 咲くから、
『きれいですよー』
だから 植えてるんですけど、あんなものは、ニセアカシアなんかと同じで、いんちきな(※ 東京の 潜在自然植生からは 外れた)木なんですよ。
『そうですか? きれい…』
あれより 広葉樹を植えてくれたら、どんなに良いか。
「ですからねぇ、火防木(ひぶせぎ)として、いざの時は、深根性、直根性、倒れない、逃げ場所、逃げ道になる、そう云う 本物の森を…」
「どうか 皆さん」
「今こそ、本物か にせものかを 見わける、生物的な勘を よみがえらせて」
「人間しか 持ってない、知性と感性で」
「にせものは、分かって 使うならいいけど、それを 本物と間違って使うから、いろんな問題 出てくるわけ」
だから、その ニセアカシアにしても、ニセアカシアって、ロッキー山脈に 生えてたやつをね、ヨーロッパ人が 見つけて、植えたんですけどね、…
ハナミズキにしても、見かけだけ いい木を、植えたりなんかするんですよ、公園課とか、市の 道路の緑化を している人たち。
これは みんなねぇ、僕が思うに、さっき言った、芝生の公園を 美しいと思ってる感覚と、同しなんです。
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