365日、四六時中、鬼婆とは 言ってない。
穏やかで 優しげなときも あった。
でも、国会議員の秘書に『よろしく』言い続けたのは、
秘書のコネクションで、娘を片づけたい下心が あったからですよ!
お分かりに なりませんか?
子どもらが 立派に育つよう願い、サラリーマンから 自営業者になった 夫を支え、舅の世話もした母。
長女が手伝ったけど、殆ど 役に立たなかったので、
彼女(妻で母親)ひとりが、頑張りましたとさ。…
役立たず 期待外れ、性格もブラックな長女を、あやめようとして 何が悪い?
あの家に限り、殺害対象が長女(私)であれば、それが正義だった。
私の しつこい自殺願望は、
陰鬱な家庭内で、親の期待を裏切り続けた罰として、発した。
暗い家にあっても、朗らかに微笑み、
親に希望を与えるのが、子どもの存在意義だと、
親は信じていた。
暗い家にあっても、屈託なく笑う子どもも、確かにいる。
祖父に守られて育った、弟がそうだった。
父に溺愛された、父に似た 末っ子がそうだった。
(孤立していた私には、出来ない相談だった)
両親の期待は、弱さ(未成熟な人格)から 出ていた。
大人にさえ 困難なことを、子に要求した。
闇の中にあって、光り輝けと。
殴り続け、怒鳴り続けた 子どもに、感謝と微笑みを 返せと。
出来ない私には、更なる暴力が与えられた。
期待を裏切りやがってと。
親の問題が、子どもの私に 転嫁されていた。
それは、子どもだった私には、解けない課題だった。
理性では 分かっている。
しかし、人間の感情と云うものは、無茶を言う。
【それでも 期待に応えたかった】
【どんなことをしても、親に やさしくされたかった】
だから、戻りたがる。最も 死に近かった時に。
黙って親に殺されれば、それ以降は、裏切り者のそしりを 免れたのにと。…
確かに私は、あの親を 選んで 生まれたのかもしれない。
しかし、それは、きょうだいで助けあって、…と云う 契約だったはずだ。
3人の内、2人が『拝金主義者』や『ナルシシスト』になるとしたら、話が違う。
2人が『人助けする 資格があるのは、経済的に余裕がある人間だけ』などと云う 偏った信念を持つに至ったら、契約が成立しないだろ!
親きょうだい 計4人が、
『経済的に豊かになることが、人間の基本』
とする生き方に 帰依し、突き進んでいるとき、
その流れを反転させろ?
くたびれ切った私が?
ひとりで?
無茶だ。
その願いは、
相手を殴って、『感謝と微笑みを よこせ』と云うのと 同じくらい、無理難題だ。
当人たちが、自信を持って 進んでいるのを 止める?
その先が、地獄だとしても、…
止めようとすれば、私は、暴力(言葉による 精神的な暴力)に 見舞われる。
孤立した状態で。…
もう限界なんだよ、本当に。
義理の妹も、酒飲みの亭主を持って 大変だ、苦労してると 言いながら、
『友だちと話せば 気が晴れる、楽しく働いてる』
『問題は、彼の 飲酒と健康であって、私には 専門家のサポートなど 必要ない』
と 言い張っていた。
臨床心理士が 見立てたように、彼女は あれで、幸福なのかもしれない。
(酒害に苦しむ)家族だけの会に、1ヵ月ぶりに参加した。
(母や 義妹の気持ちを 理解する参考に)
私には、苦痛が大きい。
【人の話に、感想を もらしてはいけない】
それだけなら我慢できる。断酒会も同じだ。
だけど、他にもタブーがある。
【固有名詞を言っては いけない】のだ。
アルコール依存症者の家族は、深く傷ついてる。
秘密主義だから 安心できる、…そう云う方々の 集まり。
私には、堅苦しい。
自分や 家族、病院の名前を うっかり言わないこと。
それだけでも 私には キツイのに、…
可愛い お子さんの話を よくなさる婦人が、
『人生、嫌なことばっかりだった』なんて言う。
見れば 美しい顔かたち。
親も亭主も アル中だったと言うけど、
結婚したときは 幸福だったろうに!
可愛い子どもも 授かってるのに!
人生 やなことしかなかった?
嘘吐き! 嘘吐き!
子どもに失礼だ!
わかってる。…その方は、闇に迷っておられる。
だから そのような感情にとらわれ、そのように語る。
(嫉妬すべきじゃない)
でも、悔しい。…
好きな人の子を 授かりながら、
それを 当たり前のこととして、不幸だって言われると、悔しい。…
「断酒会のメンバーが好きだ。やたらに心配する周囲の人が、治ろうとする人を邪魔してる」そんなことを口走った。
限界なんだよ。
帰り道、ひと駅 歩いた。20円浮かすため。疲れた。
歩道に セミがいた。
(生きてる? 此処にいたら危険だ)
靴で触れてみた。
「ビッ!」
(ボロボロの羽根で、よく そんなに 元気に鳴けるな)
白手袋をして、セミの前に 手を出す(地面に指先を這わせる)と、
以心伝心、乗ってきた。
何処へ…
欅(大木)の幹に 添わせてみたが、…
(嫌なのね)
神社まで、…遠いな。
セミは どんどん上ってきた。手袋を越えて、腕の方に。
(痛い。腕に 鉤爪を かけてくれるな)
指先を 天に向けたら、セミは 手袋の方に 戻ってくれた。
(もう、この民家の 塀の上で良い?)
塀の上には、先客がいた。
(ヤモリ…)
(会いたかったぜ)
しばらく行くと、生け垣があった。
その1番下の枝に、セミを差し出した。
「ビッ!」
移動して行く。
(良かった…)
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