昔のドラマの台詞(せりふ)で あった。
『カウンセリングなんて くだらない! お金の無駄! そんなの 貴女に必要ない!』
数年前 友人(年長者)が、言った。
この世には、心理分析や カウンセリングを、
『くだらない』と決めつける人が いるらしい、…何故?
(ずっと 不思議だった)
セラピストや カウンセラーに対面し、絶望したことが、数えきれないほど、私には あるけど、…
1人や2人(否、両手両足の指に 余る程度の人数)に、がっかりした くらいで、業界(?)を 否定する気には、なれなかった。
「貴女の木を 描いてみますか?」
先月、臨床心理士さんに言われた。
眠くて だるくて、これで何が分かるの?
…と、嫌な 感じがしたけど、どうせ遣るなら 遠慮なく…が、身上の 野獣君のこと。
どーん と太い幹に、もこもこと 葉を繁らせてみた。そして、…
水道か 泉のように、(幹から 「水」を吹き出して、周囲の生物に 振るまっている 木の話を、思い出し)
幹から、こんこんと水が湧き、地面に池ができ、そこに魚が棲んでいる…図になった。
「異常さが際だっていますね、よくバランスを取っていますね、自己憐憫に陥らずに」
自覚症状があるから(尋常でない罪悪感に 苦しんでいるから)、食うに困っているのに、(ますます 食い詰めることになるのに) 臨床心理士さんの処に、行ったのですが、…
改めて言われると、悲しかった。
私だけじゃなく、私の作品(!?)まで異常だなんて。
妙なものだ。検査用に採られた血なら、異常があると言われても、さほど動揺したことはない。
けど、内面を表現した、願望を含んだ絵画を 判断材料に講評されるのは、…
気持ちが凹む 体験となった。
あの太い幹は、バイトしていた頃、よく 寄りかかって休んだ、八幡さまの木の イメージだった。…
繁った 葉の部分が 小さめなのは、…
大木(枝葉に手が届かない照葉樹)に 寄りかかっている記憶が強く、幹の太さにくらべて 葉の印象が薄かったことと、
自分を擬木化(?)したら、根まで含めた 樹木全体の中では、頭(照葉樹の 葉の繁った部分)は、そう大きくないと 感じたから かもしれない。
他にも たくさんの質問に答え、総合的に分析され、…
なんとなく 納得できたから、こだわらなくても いいと思うけど。…
『木の絵』の診断の場面が、
録画されていて、再度 見られるとしても、多分 私は、よろこばないと思う。
あれを 素晴らしい時間と感じたり、
高尚な診断とか、
目が開かれたとか、
ありがたいとか、
自分を 大切にしたくなる啓示とか、
癒される予感には、やはり感じられないと思う。
そう云う時間を、
くだらないと 言う人がいるのは、分かるような 気がした。
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