不良がどんなものか、よく分からず、集英社コバルト文庫の『不良』で始まる本を家で読んでいたら、親にぶっ飛ばされた。
『不良少年の恋だと、貴様はこういうのに憧れてんのか、不良か貴様』
(毎日毎日『この不良』と殴られていたから、不良について知ろうと思ったっつーの。ヤクザさんと同じ長屋で、神経質に育った男は、矛盾したことを平気で言った)
恋にも不良少年にも、さして興味がなかった私は、富島健夫の本に感動も共感もせず、不良の研究は中止し、陰湿な想像殺人で憂さを晴らし、笑顔でごまかすようになった。…そのみじめな状況は、ひとり暮らしを始めるまで続いた。
『不良少女白書』と云う歌が出たときは、真剣に聞いた。
(流行歌にも漫画にも、何か救いがないかと、思っていた)
でも、全然、分からなかった。
『…自分に正直に生きるなら…(中略)…居直ることが勇気だなんて 自分に甘えるのはおよし』?
今だに理解できず、面白くない。
不良少女は、不良中年(野獣君)になってしまったぞ。
想像殺人はもうやらない。
小鳥を抱える女人の手に、愛の塊があると、いつか感じたのだけど、…そう云うものは、実は、いたる処にある気がする。
気のせいかもしれないけど、…そう云うものを、大切にしたいと、今は思う。
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