耳が聞こえて、歌とピアノの共演が聴ける。
目が見えて、しますえさんの絵画を見られる。
それだけで、この上なく幸運だというのに、
「リクエストがあれば」という言葉を耳にすれば、遠慮なく願い出てて、
『来年の舞台に出演する』という方の話を聞けば、うらやましいと言う。
そんな自分に呆れてしまう。
端正な美しい宝石のような、あの空間。
自分が そこに行けた縁の不思議さに、いまさらながら驚く。
シンプルな舞台に、
照明が美しく映えて、歌の世界を引き立てていた。
雄太さんのピアノは、
足の裏からも聴こうと、私は欲張っていた。
素人の悲しさで、その場では、きれい としか思わなかったけど、
心の栞を残そうと、
「蟻ん子」の記憶を キーボードで入力していて、泪が出たのは多分、
ピアノの響き も、
お土産に もらえたからだと思う。
朝吹さんのステージに、
最高にドラマチック! な 歌が 多かったのは、
幾つもの リクエストに 応えてのこと だったようで、
アンデルセン童話の 小夜啼鳥のように、
どこかの王様が 虜になって、ひとりじめしたくなるかも。
最強の歌姫(初音ミク)でも、決して敵わない。
それを、ときめき、と 言うのかもしれない。
しますえさんの「枯葉」を聴いて、あたたかいと感じたのは、
散りゆく恋でも、心に何かを残すからかな、などと思った。
映画(邦画)音楽のカバーは、
純然たる日本歌謡でありながら、粋で、
人に生まれたことは、
うれしくて、楽しいことだったと、思い出させてくれる 至宝。
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