苦手な上司とは、アイコンタクトすら できない体たらく。
(目を反らしてしまう この私が)
(だって、こっちが挨拶しても、十中八九 返事がこないんだもの…)
それでも、今年がどんな年だったか?
と、自分に問えば、
「この、【四谷 蟻ん子】に 来られたことに感謝」
「しますえさんのCDを私に贈って下さった、元上司に感謝」に尽きる。
(CDを戴いたのは、もう何年も前だけど)
元上司は、…
私が、死出の旅にでようか、逐電しようか、
思い詰めていたときに、
宴会で「長崎の鐘」をうたってくださった。
若者(後輩)たちが、アップテンポの流行歌で、
キャーキャー騒いでいた中で、だ。
次回の宴会では、三浦洸一さんの「踊り子」を、
その次の宴会では、伊藤久男さんの「イヨマンテの夜」を。
それまでの私は、のど自慢の男が嫌いだった。
(女子供を泣かせて、自分に酔って歌っている、そんな男が、身近にいたからだ)
殆ど、憎んでたと云ってもいい。
でも、私の上司だったその人は、ナルシストではなく、
苦労人(苦労に押し潰されず乗りきった、心が豊かな優しい方)だった。
穏やかで、純粋に歌を愛する人だった。
純粋に生きている人の放つ光(歌)が、
私をこの世に繋ぎ留めてくれた。
四谷 蟻ん子は、
まだ、人間になりきれていない私が 停泊できる港だ。
ないと困る。
しますえさんの深紅の衣装(スーツ姿)は、確かに素晴らしい。
しかし、セーター姿でも、魅力的に違いない。
サザンオールスターズの桑田さんが、コンサートに注文をつけられるのを嫌って、
「この曲やってほしい? 絶対やらねえよ!」と言ったりするように、…
しますえさんのステージは、もっともっと、
しますえさんの楽なスタイルでいい。
先日のステージでは、
「アマン」でも、「鶴」でも、「初日の夜」でも、
1曲だけで、壮大なドラマが そこに展開する。
4千4百円じゃなくて、
4万4千円くらい払わなきゃ、罰が当たりそうだ。
朝吹さんも、謙虚な お人柄は大好きだけど、
もう、技術的には超一流なのだから、
曲数は、師匠と同数か、少し多めでもいいくらい。
雄太さん(ピアノ)、
乗ってくると、息継ぎが歌手より激しい。
(命懸けなんだな)って思う。
シャンソンの魅力は、子どもたちには 片鱗しか分からないだろう。
ジャズやラテンと違って、ダンスに利用される機会も少ないようだ。
ラジオ(働く中高年や、オタクな若者がきく民放)で、取り上げられる回数も少ない。
だけど、銀巴里の灯(蟻ん子に 引き継がれた)は、
消えてもらっちゃ困る。
私が困る。
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