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2010-11-07(Sun)

まんじゅうと しあわせが こわい

『私ほど(俺ほど)不幸な人間は、いない』と思うくらい、ひどい勘違いも ない。

満洲から 引き揚げ、長男と長女と妻を亡くした 祖父は、しばらく 酒に逃げていた。
ひとり残った 末息子(10代前半)に、くだをまき、不幸を嘆き、殴り、…
息子は ひそかに、思ったと云う。
『原爆にやられて 苦しんでいる人とか、もっと 悲惨な目に 遭ってる人も いるのに、親父は 情けない…』

三橋美智也の「母恋吹雪」を聞くと、何とも云えない 気持ちになるのは、…
彼岸の 母と兄姉を想う 父の悲しみが、
私の遺伝子にも、刻み込まれているから? かもしれない。

あの歌の「おいら」も、飲んで くだまく「ととさ」より、遥かに 大人だ(精神的に)。

人は、歳を重ねるごとに、莫迦になっていくことも ある。
自分の父親を みっともないと、思った息子は、…
自分の娘を、虐待する 父親になった。
(仕事の ストレスを 妻子にぶつけ、発散していたのか?)

その言い訳が、…
『俺の親父は もっとひどかった』
『俺は親父ほど 殴ってない』だから、情けない。

母は、娘を 盾にしたり、娘が 不和の原因だと 決めつけた。
(被害者意識の強い人は、自ら 原因を作っておいて、被害に遭い、大騒ぎする)

自分の目で その男を選び、自分の意思で その男と結婚し、その結果、子が 生まれたと 云うのに。
家内安全でなかったら、妻と夫の 連帯責任だろうに。
精神の未熟な 妻や 夫は、相手(夫 または 妻)と、子の責任だと 思うらしい。

(冗談じゃない)

しかし、この私も、子どもの時分より、理屈を こねまわした分、莫迦になったかも しれない。

子どもの頃は、悲しかった。私を憎む 親を、憎んでもいたけど、…
(殆ど 無意識ながら)識っていたことが ある。

「母の願いは、鬼みたいな顔で 暮らすことじゃない」とか、
「良妻賢母に なりたくて、無理をしてるから、母には 本当のことが見えない」とか、
「父も母も 人を認める 余裕はなく、自分が 認められたくて たまらない」とか、
「あれもしてやった これもしてやったと、親は 言うけど、そんな 恩きせがましい 卑しい心では、感謝も尊敬も 得られない」とか、
「弱い親が 一人前の大人になれるか 否かは、子どもの協力にかかってる」

…そんな 人間の 恩愛のことを、子どもは、識っている。
(言葉には 出来なくても)
だから、未熟な親は、子に 頼る(期待する)。…ひどいときは、子どもの心を 踏みにじり、命さえ 奪ってしまう。

自分の 弱さや矛盾を、子どもに 押しつける親。
そんな親を、反面教師に しようとしたけど、なかなか 難しい。
(自分の幸福を 許す度量がないと、途中で 挫折するのだ)

肉体の 親とは(子どもの頃は)、殺された方が、ましな縁 だったけど、…
魂の 親(自然? 宇宙?)からは、無償の愛を もらってきたのかな?
…やっと最近、そう思わなくもない。
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