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2011-05-18(Wed)

木いちごの泪 ②

【皆も知ってるように、アメリカ軍は】
【戦争が終わってから7年間、鉄砲を持った兵隊が、軍事占領をしました】
【私たちは 戦争で負けた上に、食べ物もない、家も焼けて無い中から、一所懸命 働きました】

【私は医者ですから、被曝者を たくさん見る】
【日本の医者の殆どは アメリカの言うことを信じた】

【後から街へ入った被曝者が、かったるくて動けない】

元気で働いていた人が、ある日突然、動けなくなり、
3日も、4日も、その状態が続いて、

【やっと軽くなったから 会社に行ったら、翌月 また同じことが起きる】
【会社や工場で 働き続けられない患者が、いっぱい出たんです】

【ところが 日本の医者は】
【大学の教授から 街の先生から、特に 広島・長崎の医者は】
【被曝者を 一所懸命 診るような医者は、何か アメリカに 含むところがあると】
【アメリカから 目をつけられると言われて】
【被曝者を 親切に診ることも 困難になった】
【つまり、他国の軍隊に 占領されて、自国の 政府も役人も、役に立たなくなった】
【そういう状態に、私たち日本人は、7年間 苦しみました】

【私は 銀座で】
【酔っ払ったアメリカ兵が数人で、公の場所で、婦人をrapeする現場を 見ました】

日本の警官が そばにいても、アメリカ兵に逆らえば、殴り殺される。

【そういう占領を 我々は 受けたのです】

しかも、

【今の医学では 診断も 治療もできない、新しい原爆病を 研究をすることも、日本の学者は、禁じられました】
【日本の政府は、困っている被曝者を 生活させる法律を作って 援護することも、禁じられました】

【彼等は アメリカの軍事機密を知っている、まだ敵性の国民なんだと】
【それを 日本の政府が 特別に 面倒をみることは許さない】
【こう云う占領が 続いたのです】

【それは 7年で終わりました】
【しかし、その後、皆も知っている 日米安保条約という、アメリカが起こす戦争には 日本が全力を上げて これを助ける、そういう条約ができて】
【日本の政府は 今でも、日本を守ってくれる アメリカの核兵器が 不利になる運動をしてはいけない】
【今の政府は、そう云う方針を、まだ持っています】

【福島の原発が、事故を起こして】
【たくさんの人が、家に帰れない】
【疎開したら 出てけって言われるような目に、今 遭ってます】
【原発から 漏れてくる放射線も、原子爆弾で 浴びる放射線も、同じものです】
【全然 違わないんです】

【プルトニウムと ウランという 放射線分子を燃料にして】
【熱を作って 電気を起こしている】
【事故を起こして、これを止められない】

【皆さんは エネルギーを たくさん知っています】
【1番 目にするのは、火ですね】
【火は もみ消せば、消える】
【あらゆるエネルギー、他のエネルギーは、消すことが出来ます】
【ところが 放射線のエネルギーは、消すことができないんです】
【あれだけの事故を起こした、あの原子力発電所も】

燃やしていた ウラニウム、プルトニウムなどの 原料が、

【そのまま熱を持って 燃え続けるのを 消すことが出来ないんです、人間には】
【そう云う 難しいエネルギーを】
【普通はそこら辺には ないのを、無理やり、特別な 化学の方法で 引っ張り出した】
【最初は 人殺しの爆弾に使った】
【そして 戦争が終われば、工場は 爆弾を作り続ける必要が なくなった】
【何とか 使えないかって、無理やり 電気を起こす機械にして 世界に売った訳です】

【それを 買わされた日本が、それで 電気を起こし始めた】
【事故が起きなけりゃいいですよ】

【でも、今度みたいに事故が起こったら、もうどうしようもないんだ】
【埋めちゃう訳にもいかん。海へ放り込む訳にもいかん。どうしようもない】
【出っ放しです、放射線が】
【だから あれは、ごくわずかだけれども】
【ずーっと毎日 朝から晩まで あの工場の 屋根から上へ、空中へ出て行く】
【水の中にも出る。それは なくなりませんからね、貯まるんです。どんどんどんどん】

【だから東北の あの工場の真上に、ドンドン出る放射線は】
【そのまま風に乗って 好きなとこへ行きます】
【そして地面に降る】
【降ったら地面に留まって、そこはもう お米も作れない。商売には使えません】
【第一、その そばへ行けば 被曝します】
【そう云うふうに 今、日本の国の、東北という部分が 破壊されてしまったと】
【極端に言えば そういう状態が今、起こっている】

【ところが、テレビに出てきて、知ったような解説をする学者が たくさんいます】
【彼等は 放射線を作る側、あの、放射線を作るのは 簡単には出来ないんですが】
【だから アメリカから 今、ウラニウムを買ってきて、やってる訳だけれども、あれを 作る側の 学問をやっている人が、テレビに 出てるんです】

【ところが、放射線が 人間に あたったときに、どんな変化を起こすかは】
【何も知らないんです、彼等は】
【だから、直ちに心配なことは 起こらないと】
【そりゃそうですよ、今日 被曝したら 明日 病気になる、そんなことは ないんだ】
【でも もう現に 東北では、下痢が始まっています】

【さっき 此処に出られた被曝者の方が】
【お母さんも、妹も、弟も、自分も、下痢が始まったと おっしゃいました】
【最初の症状のひとつに、下痢が始まります】
【これは 今の 普通のお薬では 止まりません】
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