『音楽は ラジオか CDで 聴くもの』と 思っている、兎小屋の住人の 耳には、
伴奏が 大音響に感じられ、ときどき 歌詞(歌声)が 聴こえない 寂しさは あったけど、幸福な時間だった。
小児麻痺で 何度も手術をして、今も足が不自由なこと、
数年前に 胃がんが見つかり 目の前が真っ暗になったこと、
胃と脾臓と胆嚢を、摘出したことなどを、
歌の説明と 同じ調子で、朗らかに お話しになる。
学生のとき 立ち寄った喫茶店で、社会派シャンソン(甘くない)を聴き、心を奪われ、その歌手に弟子入りしたこと、…
はじめの頃、上手く唄えなくても、いつも友人が 20〜30人 集まってくれて(?)、ステージに立てたお話、…
原作に近い訳詞の、踊り子に 恋した男の「百万本のバラ」
「津軽のふるさと」
「生きる」
…どの歌も 素晴らしいかった、
声が暖かい。歌詞・言葉が 生きている。
立派な人(凄い人)の話や本は、私は苦手。
吾が身の 情けなさを、間接的に 叱られている気がして、…
薦められれば なおさら、近づきたくない。…
しますえさんも、凄い人。雲の上(高い舞台上)の人だけど、
凄さが 突き抜けているから?
彼の歌は、私の耳にも 素直に響くのかもしれない。
◆ 母に接すると、追い詰められた気持ちになる。
心理士の先生に 言われるまでもなく、…
ゆきしろ姫に、毒リンゴを 与えたのは、実の母。
母親が、大人に なりきれないままだと、娘に(女として) 嫉妬してしまい、
『自分より 幸福になったら、許さない』と、威嚇してしまう。
ゆきしろは、毒リンゴを 食べざるを得ない。母親を、愛しているので。
『愛を乞うひと』などと云う 小説の主人公は、毒リンゴを食べずに 逃げおおすけれど、
深刻な被虐待者は、逃げる気力・体力・知性も、奪われたり 歪められている。
(事実は小説より奇なり)
ゆきしろが 目覚めた後、
物語には、実母の処刑が 用意されている。
実母側は、自覚していないが、
やっている(娘にしかけている)ことは、ほとんど戦争(命を脅かすこと)なのだ。
ゆきしろ姫の世界は 残酷だけど、若い方を 生き残らせる。
生物としては、理にかなっているのかもしれない。
現代の 私の世界では、遠い とつくに(外国)に憧れ、足を運ぶ人も 少なくないらしいのに、
虐待事件は、オブラートに包まれ、見せ物になる一方で、減っていないような 気がする。
オブラートに包まれた 物語を見て、泪を流し 心が慰められる人も いるのだろうけど。
物語を見て、
自分も荷担している 社会の問題と感じて、改善していこうとする人が、
涙して忘れる人を、上まわってほしいと、…
そうすれば、
ゆきしろも 実母も 癒され、生き残る道が 広がるような気がするのは、変でしょうか?
◆ 献血会場で 検査にパスしたけど、寒さで手が冷えていた。
腕の下に 温かい枕が 置かれた。気持ちが良くて、献血速度も驚くほど速かった。
(そこまでは良かった)
採血用の針を抜いたら、血が どっと出た。
担当者は、(いつもの)厚い止血用の絆創膏を 当てがい、
更に その上に、ガーゼを分厚く 折り畳んだものを、貼りつけてくれたけど、
針を抜く前に、
ドナーの腕の下から、温々の枕を 外すべき…だったのでは?
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