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2011-12-20(Tue)

黒いパートタイマー

パート先でのことを、今まで 書かなかった。
書かずに 済ませたかったが、半年以上 お世話になり、…
頭の掃除のために、書くことにする。

★ 先日は 模様替えがあり、建屋内を ホコリが舞っていた。
先輩の何人かは、マスクをしていた。

血液検査によると、私は ホコリに反応する。
けど、その日は マスクなどせず、目先の仕事に 追われていた。

マスクをした 先輩方が、
『ハウスダスト・アレルギーだから』とか、
『ノドを守っとくの』などと ささやいていても、
(へー)としか 思わなかった。

泪が出たり めまいがしても、
アレルギー体質や、ノドの痛み(風邪?)と ホコリについて、関連づけて考えたのは、帰宅した後だった。
パート就業中は、ほぼ 忘我の状態(怒鳴られたり、冷笑されても、その氣を 美味しく いただきます モード)だった。

★ その日、お客さんから トラブルの電話を受けた。
教えられた電話番号で、コンピュータから、顧客情報を 引き出そうとして、…
うまく行かず、私は焦っていた。

『質問状を作って、送って、確認』と云う チーフの指示のもと、動いていたが、
登録データを 引き出さないことには、始まらない。

(名前を省略したり、電話番号を 間違えるお客さんも、まれにいらっしゃる)
(今回は、電話番号が、登録データと 少し違っていた)
(私の 聞き間違い? 記録ミス? 何処から失敗したのか? さだかではない)

焦っていたが、チーフが近くにいて、困りごとは 尋ねられる状態だった。
(まずは 落ち着こう、落ち着いて、頭を冷やそう)と 思っていたとき、…
チーフの 横に 座っていた方が、言った。
『さっきの爆発の件、とっとと支社に伝えないと、おおごとになるよ』

私の頭は 沸騰し、暴走した。
いきなり 支社に電話し、説明を始めてしまった。
(この時点で、お客さんの名前を 間違えた)

支社の方から 指示を受け、手配書を 作ることになったが、
あやまった 顧客データを 引き出し、それをもとに 作業を進めたので、…
ミスを連発。

チーフに 確認を お願いして、お客さんの 正しい名前は 判明した。
コンピュータ上の 後始末は、先輩に 教えて戴き、ことなきを得た。

指揮系統が 複数あると、下の人間は 混乱する。
(ミスを招き、仕事の効率も落ちる)

組織の中にいて、(ヒヤリ ハットを、見逃すまい。放置すると、労災のリスクが増す。ハインリッヒの法則を 忘れるな!)と 意識してても、
自分のミスが 絡んでいるときは、立場の弱い人間(切り捨て可能な 小さな歯車)は、上役に 申告しにくいものだと 識った。
(同じ条件下でも、他の人は 問題を起こさないかもしれない)
(上司に申告しても、改善の きざしがなければ、心が 屈折してしまうかもしれない)

★ 私は『時給850円〜850円』と 書かれた 求人に応募し、採用された。
時給が上がらない 低賃金労働者の役目は、
…取り替え可能な、使い勝手の良い、小さな歯車で あること。
…私は、そう理解している。(気楽)
…けれど、先輩方が どんな条件で 採用されたかは、私には分からない。

社会福祉協議会の職員は、その会社を ご存じだった。
『他に定収入があるか、旦那の稼ぎがないと、食えないだろ?』
『1つの職場で 頑張りたい独身者が「このパートに応募したい」と 相談に来たときは、俺は止めてるよ』

★ 先日、ボスと先輩が、口論してた。
『私1人では、この仕事 無理です』
『出来るとこまででいい』
『何故、私だけに やらせるのですか』
『いいからやって』
『無理です、終わりません』
『いいから』
『なんで私だけ!』
…最後は、殆ど悲鳴だった。

『なんで!』
この半年、よく耳にした言葉。
あの先輩は、真剣に仕事に臨んでるから、そう叫んだ。
(ヒヤリ ハットを見逃せず、勇気を出したと察する)

小さな歯車には、似合わない言葉だけど、…
先日、私も 気づいたら言っていた。
「なんで出来ないの!」

…お気楽な パート タイマーの分際で、何を考えていたのか?
(何も考えてなかった)
…パソコンに向かって 思考力を保てる限界が、
…今の私は、夜の 9時15分くらい迄だと、痛感した瞬間だった。

1番小さな歯車は、身の程をわきまえて、機嫌良く働いておればよい。
誰かの行動を 残念に思ったとしても、巻き込まれなければいい。

たとえば、誰かの私語が 気に障るとしても、…
上役に 言いつけたりしては ならない。

幼稚園児が 先生に『××ちゃんが おもらしした』と 言ったり、
小学生が 先生に『××さんが、カツアゲしてます』と 告げるのはいいが、

大人の告げ口は、純粋な愛社精神に基づくとは 限らない。
(自分の鬱憤を晴らすために、上役を利用してはならない)

★ 24時間 365日 稼働している職場。
ボス1人に、チーフ(交替制)が…10人位?
その下に パートが数十人…

時給が上がると困る 主婦の方も、おられるし、
頑張った分 評価されたい(時給が上がらないのは、理不尽)と 思う方もいる。

『他を探してる』などと、(就業中に)聞こえてくるのは 悲しいけど、
認められたいとか 向上したいと云う 人の気持ちを、否定することはできない。

★ ある取引先の方から、電話で言われたことがある。
『今日、御社に 説明に伺ったんです。××さんにも 会議に出てほしかったのですが…』

パートは 会議に必要ないと、上司に 判断されるのはいい。
ただ、
(いつも電話で 話している人と、直接 会って 挨拶したかった)
と云う 素朴な気持ちまで 否定されると(美貌の鼻で 笑われると)、
…背筋が寒いです。

「どんな悪意も 引き受けて、美味しく戴く」私でも、…
冷たい まなざしと 侮蔑を 伴う 言葉を 戴くと、消化に 時間がかかる。

どんなに 時間が かかっても、
やがては消化し 血肉にすることが、私には 出来るけど、…

そんな、カラスや ゴキブリの如く 図太い人間は 少ないから、
毎年3万人以上もの自殺者が、出てしまうのではなかろうか。…
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2011-12-10(Sat)

皇太子徳仁親王妃 雅子様

昨日は、お誕生日 おめでとうございました。
感想全文、新聞で 拝見しました。

深海魚のように、底辺で 生きて来た者(私)も、
妃殿下の ご健勝を祈っております。

昔は私も、周囲の深海魚たちと同様、
皇族の方々を 毛嫌いしておりました。

ブルーカラーとは 桁違いの お金持ち、
ブルーカラーの知らない、贅沢な暮らしをする人々。…

同じ様な「良い暮らし」を、ブルーカラーが 望んだら、

宝くじで1等を当て続けるとか、
脱税や詐欺など、犯罪行為に 手を染めなければ ならない、
…(業腹だ)と 思ったものです。

【高貴な地位にある意義】を、示しておいでの方 (それと分かる方)は 別です。

喩えば、昭和の天皇陛下 裕仁様。
戦後、全国を歩いて、民草を励まして下さいました。
つぎの あてられた服も、大切にされた と聞きます。
わずかな メザシと 芋ばかりの お菜の日々を続け、
貧しきに耐える 民の心に、寄り添って下さったり。
お好きな乗馬も、敗戦後は なさらなかったとか。

ですが、深海魚たちには、…
その他の方の お働きが、殆ど見えません。
特に 王女様方が、理解できません。

20歳になると、勲章や冠をつけて 祝われますが、…
その冠の値段は、民草の年収の いったい 何倍でしょう?
連日、自殺する国民がある、毎年、約3万の人が自殺する秋(とき)に…

失礼ながら、天皇陛下の御孫さんであることや、
皇族のためにある大學には 行かずに、好きな学校に通い(警備などにかかる税金を 増やして)、
お好きなことを なさってる印象しか ありません。

ボランティアは、何かと なさって居られるやも しれませんが、
あの冠を戴く 王女さまと、私(民草)が、
同じ時代(現代)に、尊敬しあって存在し得るとは、…
到底、思えません。

ですから、深海魚の世界では、
『皇族など なければいい』とか『税金泥棒』と 謂う輩が、います。

不肖 私も、…
祖父から、巡幸(裕仁様)の 御陰を、聞いていた にもかかわらず、
胸中、皇族方を 疎んじておりました。

しかし、三笠宮(崇仁)様から、ラジオなどで「歴史」の話を お聞きしたり、
市民講座で、事務の方々に混じって、きびきびと 働いていらっしゃるのを 拝見して、考えが変わりました。

「この国に、三笠宮様(裕仁様の弟殿下)が 居て下さって、うれしい」と思ったのです。

天皇陛下は、雛祭りのお人形ではない。
天皇陛下は、てんしさま。祈りのおおきみ。
皇后陛下と セットで動く必要など ない!

男女ペアで 公式の場に臨むのは、西洋の慣例であって、
本来の日本の きまりでは、なかった筈です。

美智子様が 善意で なさっていたことを、マスコミが 囃したて、
美智子皇后こそ『皇后陛下の鑑』の如く 言いますが、それは偽りです。

美智子様は、淑女の鑑の 御1人ですが、
あるべき皇后陛下の 見本では ございません。

雅子妃殿下が、…
民草に(深海魚の如き 底辺に生きる者にも)慕われる 内親王と なられる、
愛子様の 御母堂として、
末長く、お健やかでいらっしゃることを 祈ります。










2011-11-26(Sat)

森に来て いたずらに

先日、20年来の友に、説教された。
『絵とか歌とか、遊びの才能は あるんだから(彼女の基準では そうらしい)、やりなさいよ!』
『親が自殺するかも? 弟が死ぬかも? 死ねば! ろくな家族じゃないんだから!』
『断酒会なんて、病人の集まりでしょ? そんな暗いとこに行ってて、いいことある訳ない!』
『もっと私みたいな、バカかもしれないけど、良い人間と つきあいなさいよ!』

前回、彼女を訪ねたのは、
夏みかんを 大量に もらって 困ったときか。…
(挨拶も そこそこに、物だけ渡して 帰ってきた)

ハンディのある身体で、スポーツクラブに通い、体を鍛え、小型犬と暮らし、
生活保護受給者であることを 上手に隠して、気が向けば 手仕事をする(化粧水とか、婦女子が好きそうな 小物などを作り、人に配る)彼女。

『歌いに行こう』と言う、彼女からの誘いを 私は、ここ2年くらい 断り続けてきた。
(スポーツクラブの仲間とも、歌いに行くそうだから、私は遠慮しても よかろうと)
(ノド粘膜が慢性的に不調で、歌どころでは なかったし)

『とっとと逃げりゃいいのに、ずっと家族に振りまわされて、バカじゃないの?』
『気が合わない家族なんか、さっさと捨てれば!』
『あんたは家族に依存してる!』

…『古着を上げるから来て』と 何度も言われ、疲れた身体にムチ打って、夜分に訪問したら、
くどくどと(恋人同士でも あるまいに)勝手なことを、…
さすがに うんざりし、仕分け中だった洋服(殆ど着れぬ)を、彼女に投げつけた。

私が 他人(それも女)に、暴力的な 振る舞いをしたのは、はじめてかもしれない。

彼女の方は、過去 何度か、…
私の脳天を、拳で殴っている。
酒場で酔って、『男友だちを 盗るな』と。
(彼女と戯れていた チャラい男には、私の触手は 微動だにしなかったのに)

つまらぬ嫉妬と、顔に似合わぬ野蛮さに 呆れたが 私は、…
美しく 正直な彼女が、好きだった。
好きだからこそ、傷つけたくなくて、距離も置いた。

「消え去っても 誰も泣かない、誰も困らない」
そう云う人間になることが、私の理想だった。
その つまらない夢は、叶いつつある。
(その証拠に、ブログの読者も減った)

断酒会も、もう卒業だ。
女の人(アルコール依存症の本人)が1人 加わってから、会の雰囲気が変わった。

ミーティング中は 明るくて、先輩の発言に 突っ込みを入れるような(ルール違反だけど、可愛いから許されてる?)彼女と、
先日、帰り道で 一緒になった。

私が 精一杯、明るい声で、
『お疲れ様でした』と挨拶したら、…
地獄の亡者かと思うような 暗い声の、
『お疲れ様でした』が 返ってきた。
嫌悪感に満ちた 声だった。
…私を見る目が 冷たいことは、前から感じていたが、
…背筋の凍るような声で 挨拶を返され、よく分かりました。
…そこまで態度で示すなら、退いて差し上げよう。

また 駐輪場では、幹部会員から、勝手なことを言われた。
『過去の話ばかりじゃ、苦しいでしょう?』
『早めに来て、同性の人をつかまえて、コミュニケーションとるようにしたら?』
『親のせいにばかりしてるけど、同じ境遇の人は、たくさんいるから』

…帰りがけに。
…呆れて ものが言えない。
…的外れで、使えない、相手(私)の気力を 萎えさせるだけの助言。
…まさに独善。

(アルコール依存症患者だけでなく)家族も、多数 参加する例会には、私は(パートの出勤日と重なり) 出席できない。
少人数の(私が行く曜日の)例会で、同性の人と云ったら、例の新顔さん だけでしょうが!

私は ずっと言ってた。
「親はうらめない、孤立してる、可哀想」

たまには こんなことも言った。
「治療者面して、高い金を 取った挙げ句、クライアントが 更に駄目になっていくような、いやがらせをしたり、暴言を吐いた奴らが憎い、強姦犯より憎い」

アルコール依存症の患者さんには、
神経が 細やかな方が多いことを、私は 断酒会で学んだ。
同時に『自分が 安定した状態にあるとき、人の話を曲解し、したり顔で アドバイスしたがる人』が いることも、学んだ。

『人を傷つけることを かえりみず、酒に溺れ、狂い、暴れ、…いろいろやって、今は幸せです』
と 言える人たち(生活保護や障害者年金? などで、経済的に保護されている人たち)に、

「人を傷つけることを恐れ、緊張し、萎縮し、遣りたいこともできず、
…今も崖っぷち」にいる者の 気持ちが、分かりますか?

…分かろうとする人や、
…分からなくても、
…無理強いせず、ただ その者が存在することをよろこび、
…その者が 自分を許す手掛かりを、探す手伝いを、
…さりげなく できるようになったとき、
…その人は、断酒によって、心まで回復したと言えるのでは?

自助グループに参加して、間もない人が、【過去の話】しか できない。
それは、珍しいことじゃない。
吐くだけ吐いたら、今に集中でき、前も向けるように なるのだ。

私の話を、ねじ曲げて聞いてるから、苦しいのでしょう?
【貴殿】が!

「虐待した親よりも、放置した親戚や、暴言を吐いた医師、心理学者が憎い」と吠えてた私を、
色眼鏡で見て 曲解し、勝手に苦しみ、ピンボケな助言して、
…恥かしくないのですか?

『いわゆる酒害、暴力の被害者で、苦しんでる奴』イコール、
『親を恨んでる奴』と、決めつけるのは 勝手だけど、…
【例外もいる】のですよ。

私は、親に、自分の人生の責任を、転嫁してはいないよ。
いまだに、親に、振りまわされてはいるけどね。

【言いっ放し、聞きっ放し】の会で、…
2度も『的外れ』な『判断』をされ、
『独善的』な『アドバイス』を、頂戴した。
…潮時だろう。

女優のように美しい 女友だちは、正直過ぎるところがあり、…
気に入らない人には 挨拶もせず、徒らに 敵を作ったりする。
『生活保護ってことがバレたら、周囲の見る目が変わる』と、恐れていることもあって、苦しい?(寂しい?)
飾らないで(つくろわないで)済む相手を、私以外にも見つけようよ。

2011-11-24(Thu)

蟷螂(かまきり)先生

空腹で、餓死も覚悟するようになった今月。
ヘラヘラ笑い(道化よろしく)、半分 途方に暮れていた 先日。

路上にいたのは、美しい生き物(カマキリ)。
もしも 私が、前だけを見て(遠くの目標だけを見て)、軽車両で暴走していたら、
カマキリを、踏み潰していたかもしれない。

ヒトノコより、カマキリに 親しみを感じる 私とて、
カマキリが 死角にいたら、殺傷しかねない。
カマキリは小さく、ヒトノコ(自分)は 重い。

先日 私が、カマキリと、平和に出会えたのは、
私が、空腹に慣れていたからだ。
(空腹も 捨てたものではない?)
(道路を横断中の 虫を踏み潰す 不愉快を、…回避できた)

手袋をはめ、道路に かがみ込みながら、私は、
つかの間 迷った。
(背中をつかんで 持ち上げようか?)

否、カマキリの脇から 手を近づけ、
彼の方から、手袋に乗ってくるのを待った。

道路にしゃがんで 虫と遊んでいたら、
自分(ヒトノコ)も また、通りがかった自動車に、踏み潰される 可能性があった。
(幸い、カマキリが 手に乗るまで、自動車は やって来なかった)

…私は 長い間、休むことが叶わず、死にたかった。
…休めないのなら、死にたかった。

車道に佇む (疲れ果てた)カマキリと、
休めなくて 死を願い続けた ヒトノコ(私)は、同類だった。

手塚治虫先生が、ブラック・ジャックに与えた 黒星(失策)を、私は 思い出す。

患者は、【休みたくて、自爆事故を起こした少女】だった。
ブラック・ジャックは、彼女の 心を診ず、体だけを回復させ、
彼女を 死に追いやる。
天才の、おごり(油断)か。…

回復して、引き取られてゆく少女は、
何度も ブラック・ジャックを振り返り、
「先生…」と、つぶやいていた。
翌日、自殺することを、わびるかのように。(泪)

『おごれる先生』も、『馬車馬のような、息つく暇なき労働者』も、
漫画の中だけでたくさん!

あの日、疲れ果てたカマキリを、私は、
強引に『助けよう』とは、しなかった。

莫迦みたいに 道路に這いつくばって、彼(カマキリ)の 下僕のように、身を挺した。

あれは、見る人によっては、
莫迦げた 戯れ だったろう。
でも、私には、何か 啓示のようだった。

虫1匹でも、相手の命を尊び、
「無駄死に させたくない」と、思ったなら、
われを忘れて(命を惜しまず)、相手の意を汲むべしと。

相手の意に添わない『救助』を 強行すれば、相手の怒りを買い、逆襲されるのだと。
(あの日は、鎌を 突き立てられた)

弱っていても、相手は 奴隷ではない。
意思もあれば、尊厳もあるのだった。
虫でさえ、そうなのだ。
まして、ヒトノコであれば。

ヒトノコが 自尊心をなくし、自己犠牲の罠に堕ち、…
疲労困憊していて、…
あろうことか、攻撃してきたとしても、…

「相手の力になる」
「相手の回復する力を信じ、それを支援する」と決めたら、
迷わず、相手の乗り物、踏み台に なるべしと。

そして、感謝の言葉や、恩返しなどは、ゆめゆめ期待せず、
ただ その出会い(戯れ)を、よろこぶが良いと。…

2011-11-15(Tue)

人の世で、遭難しても…

空腹をなだめつつ、軽車両(自転車)を 適当に走らせた。
パートタイマーの昼休み。
立冬の頃、午後4時過ぎ。

路(アスファルト)上に たたずむ、褐色の大カマキリに出会った。
(道路を横断中?)
微動だにしない。
(こんな処で 休んでたら、車にひかれてしまう)

軽車両を 路肩に停めた ヒトノコは、綿手袋をはめ、道路に かがみこむ。
カマキリの両脇から、両手の平を近づける。
腹部だけ、鮮やかな黄緑色だった。

手袋に乗ってきた カマキリは、…じっとしていない。
ヒトノコの 右手から 左手へ、また右手へ、…

大きな前足(カマ)を、地肌に 突き立てられたくない ヒトノコは、
カマキリが、手袋を乗り越えようと(上腕に這い上がって来ようと)するたびに、
もう片方の(手袋で覆った)拳や指先を、カマキリに 差し出す。
(カマキリが 動き続けるので、延々と 繰り返した)

前カゴに 重いバックを乗せた 自転車を、片手で操作しながら、…
動き続けるカマキリを 護送(?)する真似を 続けていたら、
休み時間なのに、疲れてしまった。
(自転車を 手で押して 歩きつつ、右手には 動きまわるカマキリ)

線路脇の金網から、草花が はみ出していた。
ここでどう?

「・・・」
金網に移った カマキリは…
(不満足そう)
ヒトノコが 適当に選んだ場所で、固まっている。
ヒトノコが 見上げる位置(地上160センチ弱)に、留まったまま。
(気に入らないのね?)

再び 右手に移して(乗せて)、軽車両を 杖にして、歩き出すヒトノコ。
(あたっ)

手袋してても、手の甲に、大きな 前足(カマキリのカマ)が 当たり、痛い。
(さっきまでは、痛くなかったのに…)
(線路際の金網に 立てかけられたのが、よほど不快だったらしい?)

しばらく行くと 畑があり、道路脇に ツゲの生け垣があった。
(ここでいい?)
手を差し入れてみる。
(良かったらしい)
早速、垣根の奥に、移動するカマキリ。
(ほっ)

荒れはてた庭(に 見えるが、実は、災害時の アパートの避難用通路。草花や野菜を 繁茂させては、いけないことになっている場所)に、
久しぶりに 足を踏み入れたら、…
物干しの下の たたき(コンクリート)の裂け目から、白花菜(ギナンドロプシス)が 咲いていた。

最近、布団は 室内に干し、洗濯物は 台所に干し、洗濯機は使わず、南の窓は 閉めきっていたので、…
この 愛しい夏草が、(1株だけ)育っていたことを、知らずにいた。

花の盛りは 過ぎていて、インゲンを小さくしたような実が、青々と伸びていた。

このコンクリートの裂け目に、
過去、何度か 白花菜は 芽を出したが、殆どが 大きくならずに枯れた。
(根が深く、充分に張れないと、育たない)

厚いコンクリートの わずかなヒビ割れから、
立派な 白花菜を、拝める日が 来るとは。…
(去年もだったか?)

今年の夏は、軒下をドクダミが占拠していた。
(完全に除草してしまうと、土が剥き出しになり、ホコリっぽく、見た目も殺伐となるので、災害時に困らない程度に、緑の絨毯にしておきたい 住人のエゴ)

プランターに(白花菜の)種を蒔く ゆとりもなかったから、…
今年は、この花を あきらめていた。
(思いがけず会えて、うれしい)

「カポカポ」
「アワワ」
「ア〜ア」
カラスの声、面白すぎ。
(笑ってしまう)

ピョンピョン、跳んで歩く雀。
(楽しそう)

民家の前に 置かれた、自転車の前に 座っていた、尻尾の長い黒猫。
(絵になるなぁ)

楽しい奴等よ、ありがとう。