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2011-07-24(Sun)

ラジオの話 ⑩

 もっと 昔の森の中に、に、に、人間が住んでいたことを 考えて、街路樹だとか、公園を つくってくれれば 良いと思うんですけど、…
 そう云うことですよね?
「そうです」
「しかし、昔に戻すよりも、皆さん」
「これから9千年もつ、次の氷河期が、大氷河期が来るまで もつような、前向きの…」
「昔のもので、元に戻すよりも、現在の、トゥデイズ ポテンシャル ナチュレリィ(※today's potenceal? naturely?)、現在の 潜在自然植生に応じて、未来指向で…」
「明日も 明後日も、温暖化が進んでも、じゅうぶん対応できる 本当の森を つくって戴きたい」

「で、これは、ぜひ、行政が、政府が、命を守る責任をもって やって戴きたいと思って、(※ 民主党の)岡田幹事長や、それから、今、1番 やっていらっしゃる、防衛大学校の、校長先生、(※ 阪神・淡路大震災で)被災された…」
 はい、いおきべさん(※ 東日本大震災復興構想会議 議長 五百籏頭氏)。
「先生も非常に 分かって下さってる」
「それを やるか、やらんか、これが非常に大事なことで」
「これから1億国民群の 未来の 命を守る、と同時に、それは 世界に誇る、資源のない日本の、観光資源になるわけです」
 そうですよねえ。
「多くの人が」
「で、植えた人が、皆(※ ボランティアで 植樹ツアーに 参加した人が、翌年や 翌々年にも、ボランティアで、雑草を抜きに行く)、ボルネオ、アマゾン、ケニアまで」
「特に若い女性、めっぽう強いんですよ」
「男も、へなちょこなの(※ 植樹ツアーに参加した 恋人などに)、ついて行きますけど」
 だ、は、は、…
「申し訳ございませんけど」

「どうか、…大事なことは、観光資源…」
 かんこ?
「非常に 資源の少ない日本が、世界に誇るものは」
「この、不幸な……東日本大震災を基礎に」
「300キロ(km)の 命の森、森の万里の長城が 出来たら」
 確かに、大観光資源になりますもんね。万里の長城ですからね、ほんっとに。
「はい そうです」
「そのノウハウを、日本列島から アジアに、世界に 発信する」
「これから(※ 今後も 地球で 暮らす以上は、地震や、津波や、台風、火を噴く山などを、考慮して)、災害(※ 天災)は 必ず、あちこちで あるわけですから」
「そのために、1番 日本が 今、誇れるとこ」
「今、やる気になれば、1番できるとき!」
「今 やらなかったら、後世に、我々は、どんな、言い訳をするか」

「これは 行政も、企業も、それから 社会も、そして、私たち ひとりひとりが」
「明日のために、今すぐ、どこでもできる、命の森づくり、ぜひ つくって戴きたい!」
 わかりました。
「これを、久米先生、これからも、繰り返し 言い続けて下さい」
 わかり…あの、せっかく 持って来て戴いた、
「あ、はい」
 素晴らしい 麦わら帽子。これ、あの、お話するチャンス、なかったんですけど、この麦わら帽子はね、お百姓さんが 現場で被ってる、…これを被って、世界中を まわってらっしゃると云う…
 ありがとうございました。
「どうも」
 時間短くて、すいませんでした。

 ああああ、汗かいちゃった。
『本日のゲストは 横浜国立大学名誉教授、植物生態学者の、宮脇 昭さんでした』
『宮脇さん、ありがとうございました』
「どうも、ありがとうございました」
 ありがとうございました。
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2011-07-09(Sat)

ラジオの話 ⑨

「本来の、これからの アーバン フォレスト、命を守る森は、ニューヨークの セントラルパークのような、森の公園」
「日本人は 唯一、世界で 4千年 このかた、新しい集落、町づくりには、一方(※ では) 私苑を 開発したけど、必ず、ふるさとの木による、ふるさとの森、鎮守の森を、作ってきたわけです」
「中には、にせもの(※ 潜在自然植生に あてはまらない木)も 植えたかもしれんが、長い時間の間に、台風や、地震や、虫によって、あるいは 火によって、消えてなくなって」
「限りなく 自然に近い、土地本来の 潜在自然植生の 主木が、残ってるわけです」

 キレイな 芝生の公園、すぐ 造っちゃうのよ、日本は。
 あれはね、駄目になった 森の残骸を、見本にしている と言っていい。
「しかも、永遠に 管理が要りますし、緑の表面積は、森の30分の1 しか ありましぇん」
「防音機能も、集塵(しゅうじん)機能、空気の浄化、水質保全機能も、30分の1 しかない」
「いわんや カーボンの吸収固定機能は、何百分の1 しか ないわけです」
 CO2 の話ですね。
「はい、CO2、はい」

 ありましぇん、…しぇんって、それ 岡山弁ですか、先生?
「そうなんです、だから、だから、…まじぇる(混ぜる)かい、しぇんしぇい(先生)と、今でも 学生、よく言ってます、しぇんしぇい(先生)と」
『うふふふ』
 植えるとき、まじぇる まじぇる(※ いろんな種類を 混ぜて植える)…

 で、僕は、港区に住んでるんですけど、
「はい、はい」
 最近、港区がですね、街路樹にね、ハナミズキを 植えてるんです。
「ああ」
 はっきり言って、あれ、アメリカ ハナミズキです。
「あれはね、アメリカでは ドグード(dogwood)と 言うんです」
 ドグードです。
「犬(dog)とか 猫とか つくのは、ろくな木じゃない(※ 日本の潜在自然植生の 主木ではない、それを支える木でもない)んです」
 クヒヒ、バシッ(机を叩く音)
『えぇぇぇぇぇぇぇぇー』

 ドグードって、真っ直ぐ 伸びて、見かけは キレイな 白い花が 咲くから、
『きれいですよー』
 だから 植えてるんですけど、あんなものは、ニセアカシアなんかと同じで、いんちきな(※ 東京の 潜在自然植生からは 外れた)木なんですよ。
『そうですか? きれい…』
 あれより 広葉樹を植えてくれたら、どんなに良いか。

「ですからねぇ、火防木(ひぶせぎ)として、いざの時は、深根性、直根性、倒れない、逃げ場所、逃げ道になる、そう云う 本物の森を…」
「どうか 皆さん」
「今こそ、本物か にせものかを 見わける、生物的な勘を よみがえらせて」
「人間しか 持ってない、知性と感性で」
「にせものは、分かって 使うならいいけど、それを 本物と間違って使うから、いろんな問題 出てくるわけ」

 だから、その ニセアカシアにしても、ニセアカシアって、ロッキー山脈に 生えてたやつをね、ヨーロッパ人が 見つけて、植えたんですけどね、…
 ハナミズキにしても、見かけだけ いい木を、植えたりなんかするんですよ、公園課とか、市の 道路の緑化を している人たち。
 これは みんなねぇ、僕が思うに、さっき言った、芝生の公園を 美しいと思ってる感覚と、同しなんです。

2011-06-27(Mon)

ラジオの話 ⑧

「そして まず、根が出て(※ 根が ある程度 伸びた後に)、上が出ます」
「はじめは 密植効果で 大きくなって、その次は 自然淘汰によって、木の特性において、高木、亜高木、底木、下草」
 さっき言った、全部ね、ワンセット。

「それで、大事なのは、密植・混植で 枯れるじゃないか、…それが大事なんです」
「無駄は ありましぇん」
「それ(枯れた木)は、分解されて、養分となって、すべて、森を支えるために 役立つんであって」
 枯れた木はね。
「この自然界に、邪魔ものは ない はずなんです」

 で、この 宮脇方式の植林は、何が良いかって云うと、
 密植すると、今 言ったように、競争するんですよ、お互いに。
『はい』
 僕、テレビで見たとき、こんな、くっつけて植えたら、あかんやろ、…と思ったんですけど、
「はは」
 くっつけて植えると、木は みんな、必死で競争するんです。
 勝った 負けたで、負けた方は 肥やしになるんですけど、それで…
「負けた と言わないで下さい、それは、役目を果たして…」
 役目を果たして、
「肥やしになったんです、はい」
『強い方が、より逞しく 育っていく』
「はい」

 で、宮脇方式の植林は 何が良いかって云うと、ま、最初の2〜3年は、ちょっと 手入れが要るんですけど、後は、放っとけばいいんです。
 何も しなければ、木どもは ですね、必死に競争して、共生してくんです。
『手入れは要らないんですか?』
「手入れが要るのは にせものですよ」
「化粧は 毎朝つけなきゃ…」
「化粧がハゲたのほど いやらしいことないでしょう?」
 だって昔、人間 いなかったんだから。
『ああ そうだ』
 森は 自然に生きて、…
「おっしゃる通りです、はい」
 生活して、…人間は、かえって いない方がいい(※ 自然環境が受けるダメージは 少ない)んですよ。
『はあ』

「木を植えて、3年、5年 経っても 管理が要るのは、にせものと…」
「表現が悪いけれど、土地本来のものじゃない!」
「極端に言えば にせものであります」

 よく 今、里山ブームで、里山のことを言いますけど、ま、雑木林ですけど。里山って云うのは、基本的に、人間がねぇ、薪を作るために 作ったようなものですから、
「そうです」
 行っていって 木を からないとね。
「20年に1回、伐採した。化学肥料がない(※ 時代に、農作物の収穫量を上げるために、天然の肥料として 需要があった)から、2年に1回、下草刈りして、田んぼや 畑に入れた」
「そう云うことによって、セカンダリー フォレストとして、持続してきたのが、里山の雑木林で」
「管理ができれば、ひじょうに これも、まあ 多様性に富んでますけど、管理ができなかったら、薮になって、大変な、山が荒れた 状態に なります」

 まだ 時間ありますから、もうひとつ 貴重な話を おうかがいしたいと思うんですけど、
 さっき その、ヨーロッパでね、羊やなんかを 森に 放牧したもんだから、みんな下草 食べちゃって、木も枯れちゃって、
 なんか 芝生みたいのが ピャーって広がっちゃった、でしょ。
 それを 日本人は、綺麗な景色だと思っちゃった。イギリスの、ヒースが 広がってる景色とかね。
『はい』
 それで、日本で公園を 作ったときに、芝生の公園を 作った訳。
『はい』
 木が ポツンポツンと生えてて。
『はい』
 それはね、実は、ダメになった 森の残骸を、日本は 公園にしたんです。
「そう、荒れ野 景観、はい」
「パルク ランドシャフト(Park Landschaft)、ドイツ語で言うのは、荒れ野 景観なんですよ」
 荒れ野です。

2011-06-18(Sat)

ラジオの話 ⑦

「と云うのは、根は 息をしているわけです」
「養分 吸うのは、せいぜい、ボルネオでも アマゾンでも、20cmか 30cm」
「あとは、酸素さえ あればいい」
「空気は、千分の400 酸素があるが、水は、千分の4しか ありません」
「水に 70時間以上 木の根が浸かると、酸欠で 根が腐ります」
 そうなんですってね。

「だから、都市で、5万円で 5メーターの木を、つっかえ棒(※ 添え木)で植えて、頭(※ 樹冠)が 枯れてるのがあるでしょう?」
 ん
「頭(※ 樹冠)が おかしいのは、抜いてみると」
「根がないか、…あるいは 溜り水で、息が できない」
「そすと、残った根で 吸う 水分と、地上部から 蒸散するのとで、バランスが崩れると 死にますから、自分で 頭を枯らして、生き延びてるわけ」

「だから、5万円の 5メーターの木が、3年経ったら 3メーターになる」
「だったら、1本 300円の」
「自分でやれば、種からやれば、只で出来る、根の充満した 30cmのポット苗を 植えれば、まず 根が入って」
「土壌条件を しっかり、酸素が できるように、廃棄物と云う名前の 地球資源を、混ぜて、混ぜて、混ぜて」
「養分 吸う 20cmは、表土を 被せてやると、我々の 実験結果では、6メーターも 生えるんですよ」
 根。
「根が」

「それで、コンクリ その他の場合、人の頭より 小さく割れば、根が 抱きますから」
 あのね、コンクリートって、良いんですって。
『へー』
 コンクリートの かけらとか 材木だとか、全部 混ぜて、山のように 盛り上げて、その上に 表土を こんもりと、
「はい、はい、はい」
 盛るんです。
 その上に、密植するんです。さっき言った…
「はい」
 あの、広葉樹林の常緑樹を…
「シイ・タブ・カシ類を中心にして…」
 がーっと 植えると、大堤防ができる。丈夫な。
「はい」

『森って再生するには、百年とか かかるんじゃないですか?』
 これがね、10年位で かなり 実はね、
『えっ』
「やぁもう 本物であれば、根の充満した ポット苗があれば」

「私が今まで やってきた 国内、海外。千4百箇所、4千万本以上の木を、各国で植えてます」
「すべて成功してます」

「よく聞かれます 青白き インテリ男は、『失敗した例を 教えてくれ』…ないんですよ」
「相手は 命を懸けています」
「かなり いいかげんにしても、なかなか死なない(※ 全滅しない)。それを殺すのは、よっぽど下手な証拠です」
 これ、植えた苗木ですよ、命を懸けてるのは。
「はい、はい」

「で、根が充満した ポット苗」
「最初は、2〜3年は、根が(※ 地中に)入ります」
「後は、ワン イヤー(※ 1年で)、ワン メーター(※ 1m 上に伸びる)。10年たてば、8メーター以上の(※ 森になる)…」
「そして、それは、ポツン ポツン 植えたんじゃ、駄目なんです」
 ぎっしり植えなきゃ 駄目なんですってね。

「競争しながら」
「密植効果と云うのは、競争しながら、少し我慢して、共に生きている」
「これが、生物社会の掟なんです」

2011-06-12(Sun)

ラジオの話 ⑥

「何が大事?」
「今 生きてる」
「これは、宇宙の奇跡でございまして」
 はい、奇跡ですよね。
「40億年前に、数ある星の中で、たったひとつ 原始の命が、小さな地球に 生まれてきた」
 んー
「それが、よくも 切れずに 続いてきているから、今日、皆さんが ある訳です」

「皆さん、未来に 残すものは、紙切れの札束じゃない」

「あなたの、あなたの愛する人の、40億年、よくも 切れずに続いてきた、DNAと 遺伝子を 未来に残す 一里塚として、(※ 多くの人の 寿命は)百年足らず、生きていらっしゃる」
「その 懸けがえない あなたの、あなたの愛する人の 遺伝子の、緑の褥(しとね)が(※ 寝床が)…」
「芝生(しばふ)の 30倍 緑の表面積がある、土地本来の、本物の ふるさとの木による、ふるさとの森」
「その森が、0.06% しか 残ってないぐらい…」
 先生、ちょっと、話を 戻して いいですか?
「はい、どうぞ」

 その 潜在自然植生ですけど、それを 取り戻すには、日本では、多分、鎮守の森が、1番 残っているんだって云うのが、
「そうそう、はい」
 先生の お考えで。

 さっき申し上げた、日本て云うのは 基本的に、照葉 樹林 文化ですから、その、自然の森を 再生するために、先生、どう云う方法を お考えかって言うと、
 たとえば、ここですと、赤坂の 近くにある 鎮守の森を 探して、
 そこで、照葉樹が 落とす、…実ね、
「はい」
 たとえば ドングリ。
「いわゆる ドングリ」
 ドングリ。
「ドングリと云う木は ありません。いわゆる ドングリ、おっしゃる通り」
 いわゆる ドングリ。それを たくさん 拾い集めて、
 1番 ここにある 鎮守の森の ドングリを、拾い集めて、
 これで、あの、…根を出して、苗木を作るんです。
『はい』
 ポットって、先生は おっしゃってる…
「植物は、根で勝負します」
 根で勝負。
「根のないのを、つっかえ棒で(※ 添え木で) やっても(※ 支えても、活着しない)」
「今の 植木屋さん、今、1年保証ですけど」
「何を言うかと!」

「相手(※ 植えた植物)は、命を懸けている」
「私たちが、皆さんと、植えて戴く ポット苗、根の充満した ポット苗は、次の氷河期が 来るであろう、9千年 もつような 本物の、命を守る…」
 次の 氷河期までのね。
「はい」

 で、たとえば 釜石で、これから 自然の森を 作ろうと思ったら、
 釜石で 鎮守の森を 探して、そこで、むかーしから、ここで 生えているであろう、潜在自然植生の ドングリ…
「タブノキ、ヤブツバキ ありますから」
 ヤブツバキね、タブノキ、ありますから、
 その ドングリを集めて ポットを作って、そこで、先生の 混植・密植、
 混ぜて、密にして、1へーべー(平米:㎡)、3本 から 5本、密植して、森を作れば いいだろうって話で、…

 ここから先が、お待たせしました、
 復興構想会議 御中で、宮脇先生が 提案している、津波から 命を守る 森の長城プロジェクト。
 これは 何が ポイントかって言うと、がれき(瓦礫)が 使えるって云うこと。
『はい』
「これ 大事なんです」

 これ、何が 1番 大事かって、瓦礫を使って やるんです、この作業は。これが、最も ポイントですね。
「そう、おっしゃる通り」
「今まで(※ 今の人は)、瓦礫を 邪魔ものと 思っている(※ けど)」
「人類文明や歴史で、いわゆる 邪魔ものは、なかった はずなんです」
「で、もちろん、毒は、排除しなきゃいけませんけど」
 毒性のある物はね、
「あとは、すべて 地球資源」