新商品の 講習会に出て、資料と レポートを 事務所に届けたら、
夕飯を 食べていけと 云われた。
(用意した と云うのを、断わるのも 大人気ないから、食べる ことにした)
『新しい テレビの 使い方が 分からなくて、●(私の弟)に電話したら、
見た方が 早いからって、これから来るけど』と母。
(しまった)
弟たちは、それぞれ 電気通信関係、医療関係の専門家だ。
(ご立派な 稼ぎがあって、賃貸ではない マンションに住み、
両親や、私を、…街路樹 程度の 価値しかないと、思ってる? 様子)
●は 長男だから、祖父に 可愛いがられた。
いろいろ 仕込む つもり だったろう祖父は、●が 幼い頃に、寿命が 尽きてしまった。
1度、父に 殴られただけで、白眼を剥いて 倒れるほど、弱かった ●は、
甘やかされ、私立大学を出て、好きな仕事に就けて、伴侶にも 恵まれたが、
俺の人生は、親に壊された…などと、(酔えば)言う。
親の暴言に、傷ついたと 言いながら、
大言壮語し、…それがために、私や 末っ子が、不信の念を 抱くと、
敏感に 察知し、被害妄想の塊になり、酒に逃げ、
聞くに耐えない 罵詈雑言を、言ったりした。
(その恫喝ぶり、下品さは、親父を超えていた かもしれない)
雁金(かりがね)の 家紋(雄が、弱者を守る 盾となり、隊列を組んで 飛ぶ、家族の象徴)が、泣いとるわ。…
私の嘆きは 先祖の嘆き。
私の怒りは 先祖の怒りじゃ。
おんしは この春、親父を 責めた そうじゃのー、
『姉が あーなったのは、親父が 殴り続けた から』だと。
『俺は そんなに 殴ってない』と、云った 親父に、
『毎日 殴った。どれほどの 恐怖だったか』と、言うた そうじゃのー。
『何故、お前は 止めなかった』と、親父に 言われたら、
『幼くて、いつものことで、悪いこととは 思わなかった』と、答えた そうじゃのう。
親は 騙せても、先祖と 私は、騙されんぞ!
おんしと お袋は、安堵しとったろうが!
姉(娘)が、犠牲になっとる間は、自分は 怒鳴られずに 済むとな!
それを認めず、親父だけを 責めた?
ふざけなさんな。
恐怖に 怯えて、私を 盾にした おんしらは、私から見たら、虐待の加担者よ。
おんしは 知るまいが、…
(親父も 都合よく 忘れ、今では 拙い乍ら、女房孝行さえする 人間に なったが)
…私は、性的にも 恐ろしい目に 遭っていたのだ。
だけど、世の中 見渡せば、
『原因は、本人が 作っている』とか、
『人の言葉を 素直に 聞けない、陰気な人間は、救いようがない』とか、
『当たり前の ことに 感謝できない 人間は、決して、幸せに なれない』と 云う 考えの 人らが、
何時でも、何処ででも、胸を 張っとった。…
疲れと 痛みを、とり除きたい…云う、願いは 叶わんで、
信じられる人、頼れる人の像が、心に 結べない内から、
感謝を 強要され、…
加害者と 呼ばれた 私の、…
恐怖など 超えた憤怒、
【私】など 超えた義憤が、おんしに 分かるかえ?
分かるまいが。
『こんばんは』と、すかして言った ●に、
「こんばんは」と 返した。
そして、両親が、席を 外さなければ、避けられただろう 恐怖が、●を襲った。
「●君、君は、去年の夏、私に 言ったよな。坂本龍馬ばりに、頼もしいことを。…今後 一切、先祖と 家のことは、俺に 任せてくれ、と」
『あー 何も 出来てないな』
「こっちから、頼んで いなくても、期待してくれと 云われたら、人は 期待して しまう ものよ…フッ」
ビール1杯 飲んだ途端、心因性の下痢が ●を襲った。…
期待など、しとりゃせん。
好きに 生きたらええ。
ただ、人を ダシにして、誰かを 責めたり、
無責任な 放言は、してくれるな。
(先祖が 悲しむ)