「新鮮な素材を 選びなさい」と言われた。
家政科でも、マクロビオティックの料理教室でも。
鮮度を見るのは、確かに 大切なこと。
(うっかりすれば、命にかかわる)
だけど、そこで終わっちゃう教育は 哀しい。
必要以上に 鮮度に こだわると、心の健康が損なわれる。
「しなびた野菜でも、このようにすれば、こんなに美味しく戴けます」
…そこまで教えないと、特に 子どもは、
われさえ(自分の身内さえ)良ければいい人に、なりかねない。
◆『買い占めに走って 当然だよ、政府が頼りないんだから』と言われて、考えた。
ふだん、食糧品を買うときに、
1番 新しい物を、選んで 買う癖がついている人は、…
何かあったら、買いだめに走っちゃう だろうな、
…と 云う気はする。
『少しでも 新鮮で長持ちする食材を 買うことが、家計をあずかる 主婦の義務です。良妻の心得です』
…などと、短大(家政科)では、指導されたけど。
皆が、1番 新しいものばかり 買おうとしたら、どうなる?
期限切れで 廃棄処分になる物が、増えちゃう。
日本では、震災前は、
身の丈に合った、程々の たくわえなら できた。
(物を 備蓄できない私でも、かつえ(飢え)に 慣れる 訓練は できた)
TVの ニュースに、あわて ふためき、
トイレットペーパーなどを 買い占めたのは、
備えがなく憂いのある 病人さんだったかもしれない。
ちょっと想像力が 弱い人だったかもしれない。
心に 北風が吹いて、寒い人だったかもしれない。
先日、ドラッグストアの 棚の前で、年輩の婦人に、泣きそうな顔で 言われた。
「何を買ったらいいの? 何もないじゃないの」
「ねええ」
情けない声で、答えた。
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