実家に 年始の挨拶に行くのに、無理をしていた。
最近の実家では、暴力と、日本昔話し(メルヘン)の世界が、奇妙に同居している。…
気が遠くなり 倒れる寸前、脳裏をよぎったのは、…農協のキャラクター【ちょきんぎょ】と、豆もやし、だった。
それは、私の 貧困と 孤独の象徴。
(幾ら何でも 変だ、…何故、ここまで 苦しまねば ならない？)
(私たちを、貧困 孤独 絶望に留まらせ、その動きを 前提として、我が世の春を 謳歌している人たちが いるのでは？)
(死んでる場合じゃない、…かも)
農協に毎月行く。家賃の振り込み先が、農協なので。
窓口で 家賃分を預金すると、月末に 大家さんの口座に 振り込まれる。通帳を返してもらう際、金魚(ちょきんぎょ)の絵のついた、ポケット・ティッシュを もらうことがある。
もらえないと 悲しい。
私は 金融業界の代理人である。
農協さんは 商売がたきである。(共存共栄が望ましい)
商売がたきが サービスでくれる ティッシュを、渇望するとは、…情けない。リッチマンなら、数ヵ月分を 機械で入金して、済ますだろうに。
(でも好き。…あの 平べったい ちょきんぎょ…)
韓国のお惣菜、豆もやし。(茹でて、タレで和える？)
作ったこと ない。
子どもの頃は 存在を知らなかった。
外食で知った。スーパーで見て 欲しいと思ったのに、１度も買ったことが なかった。
パンパンに膨らんだ 水風船みたいな容器を、安全に開ける方法が、分からないし、ひとり暮らしじゃ、余りそうだし、私には贅沢みたい。(200円弱だけど)
そして、約20年が経過した。…どれだけ孤独なのさ？
閉店２分前まで ベンチで休んで、大豆モヤシを買って出た。
コンビニに寄り、滅多に買わない、ペットボトル(ホットの はちみつ ゆず)を買い、駐車場で、月光浴しながら飲んだ。(全部飲んだら、その場で眠りそうだったので、少しだけ)
凍える寒さの辛さより、危険な眠気の誘惑が甘かった。
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