達者で 長生きして、家族はなく、特に褒められることも なかったけど、村人に愛される晩年を 迎えた。…
と云う 物語(斎藤隆介著)を 10代はじめに読み、私は 落ち込んだ。
(ときさんは 素晴らしい。幼いときを 励まし続けた おばあさんも 立派だ。
だめだめ言われ、何の取り柄もない と言われる私に、もらい手がなくても 腐るなと、天は言いたいのか?
素晴らしいけど、難しいし つまらなそう。
この おばあさん みたいに、私を 励まし続けてくれる人は いないし…)
同じ頃 小学校に、穏やかな人がいた。
勉強や 運動で 目立つことはなく、口数は 少な目で、気がつくと、微笑んでいるような 人だった。
あるとき(放課後?)私は、余りにも 穏やかな彼女に、聞いてしまった。
顔の 大きな傷は、火傷?
凄く 痛かった?
赤ちゃんのときの 火傷だから、覚えていない。兄弟が ドジしちゃったんですって、うふふ、と 彼女は笑った。
その傷で 彼女は 年齢不詳に見え、気の毒だと、私は 思っていたのだけど、…
彼女は 私より、ずっと大人なんだ と思い知らされた。
人を見て 美しいと思ったのは、
彼女が 最初だった気がする。
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