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2015-07-06(Mon)

生きているという奇跡


五郎、次郎


 湯呑にて

実生林檎の次郎。
根腐れをおこしたらしく、瀕死の状態に。

5月に 種を発見した時点で、
林檎の芯の中で、根が伸び過ぎて
トライアングルみたいに、屈折していたからな。……

10日くらい前から元気がなくなり、もうダメかと思ったが、
割り箸と銅線で支えて、水栽培中。

双葉は朽ちてしまったが、
本葉に先立って生えた、ギザギザのない細長い葉の先が、生きている。
(割り箸の下に見える)
1番 新しい 先端の芽も、まだ生きているように見える。


実生林檎の五郎。
苗床に極小の粒(たぶん虫の卵)が、大量に撒かれていた。

ツマ楊枝の先で、あやしい粒を取り除こうとしたが、
ケシの実より小さいような、土と同じ色のものが、
恐ろしいほど たくさんあって、取っても取っても きりがない。

いっそ 植え替えようと、苗に触れたら、
あっけなく倒れた。
まだ根が、伸びていなかったのだ。
(双葉が サボテンみたいに厚くなって、上体を支えてた)

2本の林檎の芽……
今、生きている。

数年前に、2個で100円の 林檎から出た芽は、
1年目は すくすく成長したので、
今回も私は 気楽に考えていたが、甘かったようだ。




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2015-07-01(Wed)

健康な本能とは何ぞや?

不道徳教育講座(三島由紀夫 著)の
『桃色の定義』は 美しい

【1個の お伽ばなし】かも しれない と云いながら 披露する比喩が、
まばゆい光を放つ、すずやかな 神話のようだ

真夏の森の中 1人の木こり(若者)が、
仕事に没頭して、汗をたくさん流した後で、
休憩する。

汗をぬぐったとき、
木洩れ日のかげを、風が吹き抜けて、
彼の全身の汗を、乾かしてくれる

たとえようのない爽快感、深呼吸した彼は、
自分を包む森全体を、
明るく光りかがやく世界を、抱きしめたくなる。…

…そう云うのが、真の、健全な性欲だと、
…三島さんは言っているのだ。
…異論はない。


「鍵のかかる部屋」では 作家は、
主人公を、夢の中の酒場で 笑い者にしていた
…と記憶している。

不健全な劣情を、妄想(観念)に とどめて楽しむ酒場で、 
こともあろうに、
『少女を傷つけた』などと、告白したから
…だったと思う。

妄想に とどめるなら『悪趣味』で 済むが、
現実社会で 子どもを害したら、『卑怯な犯罪者』だ。

現実の少年や少女を、
不健康で陰惨な 自分の物語に 引きずり込むなんて、
恥ずべきことだ。
自慰行為を人目に晒す以上に、恥ずかしいことだ。

もし、そう云うことを、現実に 遣ってしまったら、
犠牲者(快楽のために殺傷された人)は、
理不尽な暴力への怒りや、恐怖のために、
身体を失っても、泣き続けるかもしれない。

優しく あたたかかったであろう 少年(少女)
家族や 友人、近隣の人々の
悲しみ、怒り、苦痛、喪失感、絶望、衝撃も、
はかりしれないほどに 大きく 重い。

たとえ命が助かっても(私のように)…
人間不信や、自己嫌悪や、無価値観や、やり場のない怒りによって、
何十年も安眠できず、
心から笑うことも 出来ないかもしれない。


いやしくも、三島さんの世界に招かれた日本人(成人)ならば、
自慰行為を他者に披露するよりも、もっとずっと 恥ずかしいことを 繰り返すのではなく、…

『健康な価値観を涵養したいから、助けて下さい』と、
手当たり次第に(大人の人に)懇願してみよう。


2015-06-20(Sat)

1週間前、妹には 家族ができたと云う(小鳥)


 まだ、枝豆より小さい (根が切れてた 実生リンゴ)


 根が折れ曲がっていた 実生リンゴ


植物にも、魂(の ようなもの)が、宿っているに違いない
それが、抜けてしまったら、
成長も 呼吸も しなくなって、土にかえるのよね。

余裕がなくて、短時間しか、直射日光を当ててやれない
雨水で洗ってやれたのも、まだ2回だけ
なのに、なんて美しいのだろう。

PHSのカメラでは、とらえられなかったけど、
新芽は 水分が多いからか、光って見えるし…
本葉の下に生えてる、産毛みたいな、
小さな 黄緑色のツノ(?)が、可愛い。




2015-06-11(Thu)

傷ついて まだ伸びない双葉も、生きている

 
6月8日の 深夜に、数年ぶりに妹と話した。

4月下旬に、メールが来て以降、苦しんでいることは知っていた。
職場で上司から、『もう終わってる奴』と言われたり、

自分は、子どもどころか、伴侶もない1人暮らしなのに、
『第3子を妊娠したので、ご迷惑をおかけします』と、
朝礼で 泣く同僚がいるのが 気に入らないとか、

良い人として、職場で懸命に振る舞ってきたにもかかわらず、
好きになってもらえないと、
ひとりぼっちだと、

大切に育てられた人とは、スタートから違いすぎるから損だと、
何をいっても許される、可愛がられるひとがうらやましいと。

1ヵ月半ほど、メールの遣り取りをしてきたが、
私の文章がまずいのか、
価値観が違いすぎるのか、
向こうは 殆ど、私の言葉を 理解してなかったらしい。

『わたし ひとりぼっち……わーーーーーーん』
『ギャアァァァーーーーーーー』

電話口で、しばらくの間、絶叫を聞かされた 私は、
(鼓膜が破れるかもしれない)と思った。

・努力が裏目に出ている訳を知って、それを解消しよう
・傷ついた心の手当てをしよう
・人に振りまわされないように、知恵をつけよう

その3つの提案については、賛同を得られたが、
私が想像していた以上に、精神年齢が幼いようで驚いた。

彼女に対しては、親は虐待などしていない。
私に対しては、父親は姉(16で死んでいる、私にとっては伯母)への恨みをぶつけた。
母親は、父の暴力の盾に私を遣い、期待外れだったので殺そうとしたこともあった。

父は 感情を抑えられずに、妹を 怒鳴ったことはあった。
でも、それは、妹の存在を憎んでのことではなくて、
自分の中の孤独に、耐えかねてのことだった。

その孤独は、父と共依存関係にあった 母に、
『この男には、怒鳴る相手が必要』と、決めつけられ、
精神的な成長を 妨げられたことにより、深まっていった面もあったのだ。

少なくとも、母は、妹を 直接 害してはいない。
父も、妹を大切に思っていた。
やくざと同じ長屋で育ったことを、性格の悪さの言い訳にしていた男が、
赤子だった彼女には、絵本を読んで聞かせたくらいに。

与えられた暴力の、量(力)と時間が 計れたら、
妹の分を10とすれば、私の分は10万以上になるだろう。
(こんな比較に 意味はないが)

死にかけたし、
親が決めた死刑判決を、親ごと許そうとして、私は奮闘した。
そんな私を、たくさんの人が笑ったけど、
被害者の人生を選ぶのは 嫌だったから、苦しい中でも笑って生きてる。

何故、妹が、被害者の人生を選択して生きてきたのかは 分からない。
被害が少なかったのだから、健康に生きる道も選べたのではないか?
余裕のある大人になり、良き伴侶と出会い、家庭を築くこともできたのでは?

『親に虐待されていたから、結婚しなかったし、子どもも産まなかった!』
そう叫ぶ妹が悲しかった。

もし、妹のそばに、本物の大人がいてくれたなら、……と思わずにいられない。
妹が受けたと言い張る『虐待』は、殆ど妄想だ。

彼女が 真っ直ぐに 親に向きあっていたなら、
今頃は 笑い話になっていただろう。


…先月、食べた林檎の中にあった種
…根が 7mm くらい残っていた奴は、2個とも枯れてしまった。

…根の先端こそ、切れてしまっていたが、
…無残にも1mm 程度しか、根が残っていない奴よりは、
…生き残る確率が、高そうに思えた。

…でも、個体差があるみたいだ、植物のきょうだいでも。
…根7mm の方が、軽傷に見えたけど、息絶えてしまった。

…根1mm の方は、1週間以上 そのまま 耐え抜き
…傷口の回復をはかり、待っていた
…土に横たえられていたから、垂直に 植え直されるまで、
…根を伸ばさなかった。

…今度、根を傷つけられたら、致命傷になってしまう。
…あわてて根を伸ばしたら、
…人間に移植されるときが危ない。
…だから、待っていた。

…そこまで、林檎の種は 考えていたのか、賢いなぁ
…というのは、私の空想だが。

…軽傷に見えても、致命傷になる個体があり、
…致命傷に見えても、生き残る奴がいることを
…私は、林檎に教わった。


過去は変えられない。だから 今から、
被害者でもない 加害者でもない人生を、
心の一部分だけでも 健やかな人生を、
妹が 選び続けられることを 信じよう。







2015-06-04(Thu)

種は残してやるほどに



林檎を買ってきても、包丁を持つ気力がなくて、
5日くらい手をつけなかった 1個108円の ふじ林檎。

自然農法の福岡正信さんの ひそみに ならい、
果実や野菜を扱ったときに出る種は、捨てられぬ私。

(この林檎にも 種があったら、果肉をはがして 保存せねば)
…面倒だ。
そんなことさえ 面倒に思うほど、私はくたびれていた。

先週末に やっと食べたら、
スカスカになりかけ。

食べ時を逃したのだ、ああ 残念
もったいないことをした。

種も無いようだ。
念のため、芯を割ってみよう……

「わああ!」

割れた。豆が!
根を出し、赤茶色の種皮から抜け出た、双葉になる直前の
大豆のような種子が、真ん中から裂けてしまった。

「あいたたたたた」

種を6個発見し、内5個が発芽していた。
裂いてしまったのは 仕方ないが、
残りの 4個は、土に返してやろうと思い
(自分が)食い詰めてるというのに、土を買いに行った。

翌日には 半分になった(2個は死んだらしく、白カビに覆われていた)。
残り2個のうち、1個は、根が千切れてる。
ほとんど、頭だけになった 豆モヤシみたいに、白っぽかった。

でも、奴は頑張って生きて、緑色になった。
無傷だった1本が、
立ち上がり、双葉を開き、本葉を出し始めた その隣で、
横になったまま、半分だけ種皮から出て、
儚くも 美しく、緑に息づいている

おそれいりました。