忍者ブログ

2010-07-11(Sun)

医師には 言えない

稼ぎが 充分あったときは、機会があれば 専門家を訪ねた。

餅は餅屋 と云う言葉が ある。
自分の すべてが 不安だったし、
専門的な 知識と 技術をもつ、余裕のある人を 近くで見たくもあった。…

しかし、墓参りにも 行けないよーな、
食費を削って 国民年金保険料や、住民税を 捻出せねば ならぬよーな、暮らしでは、
いちいち 専門家に 頼れない。

私が 生まれ、組み込まれた社会には、思念だけでは 開かない門が、多々あった。

仲間が いなければ、開けてもらえない門や、
あらかじめ、何か身につけて いなければ、通れない門や、
お金を 出さなければ、開かない門が。

病院は、特に 敷居が高くなった。
(経済的な 問題だけじゃ なかった)

元々、好きな場所じゃ なかったけど、…
(産婦人科医による)精神的な 拷問や(遣られたのは 私だけじゃない)、
知人の家族が、人間ドック中の 事故で 死亡するに至って、…私の中で、
『病院 = 命を守る プロ集団にあらず』と云う 認識が、出来てしまった。

20代に、ムチ打ちに なったときは、病院に行き、医師の指示に 従ったけど、
症状が 消えるまで、約1ヵ月かかった。

あるとき、競馬の調教師だった方の 奥さんから、興味 深い 話を 聞いた。

「昔は、調教中に 落馬事故が 起きると、鐘を鳴らしたの」
落馬した調教師を 安静にすると、ムチ打ち症になり、回復が遅れたそうで、

「その日は 誰かが 付き添って、1晩中 馬場を 歩かせたの」
「そうすると、後遺症が出なかった」
「休ませないで、歩かせた方が、治りが 早かったのよ」

その話を 聞いてから、
合気道の稽古で 頭を打った日は、次の朝まで 横にならず、動きまわるようにした。

万人に いいとは 限らないが、私には よかった。

先日、コンビ二店内の 水たまりで、足を滑らせて、…
左足首を、強く ねじってしまった。

かなり痛かった。
骨は丈夫だから、…捻挫?
まずいことに なったなあ。…

「この痛みを 引き受けます」…心の中で、宣言だけは してみる。
(もしかしたら、昔の人の知恵が、応用できる?)

歩き続けてみた。
痛みが、膝に、腰に、移ってきた。固まるより いいと思った。

しかし、その日は 疲れていたので、帰宅したら、少しは 横に なりたかった。

帰宅すると、電話が鳴った。
国際電話らしい。
留守電に していたし、先に トイレに行きたい。
…と 思ったのに、出てしまった。

相談の電話で、4時間の 長電話になった。

高いところに 置いてある 固定電話だから、通話中は 横になれない。
途中からは、ずっと足踏みを 続けることに なった。(トイレに 行きたくなった)

トイレには 間に合ったけど、ちょっと 辛かった。…

だけど、あの時 電話に出て いなければ、…
ちょっとの つもりで 横になったまま、私は 朝まで、眠ってしまった…のでは?

あの夜 電話を くれたのは、
鐘を鳴らし、落馬者に 付き添って、歩き続けてくれた人と同じ、
ありがたい人だった ような気がする。

数日間、左足だけ 凄い汗が出たけど、痛みは ほとんど 取れた。
PR

この記事にコメントする

Name
Title
Mail
URL
Comment
Pass
Pictgram
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

この記事へのトラックバック

この記事にトラックバックする