李さん(仮名:昨年の職業訓練で出会った人)から、電話があった。
李さんは、先生を目指していて(保育師か、語学教師と云う 具体的な目標を 持っている)、心理学も学んでいる。向学心が強く、義に厚い。一児の母。
久しぶりに会った翌日、電話をもらい、お互いの求職の話をしている間は(私は 半分 眠ったような状態だったけど)、穏やかな会話だった。
しかしながら、…
同じ訓練で出会った 礼子さん(仮名)が心配だと、彼女が語り出してから、張りつめた会話になった。
聴覚障碍を患っている礼子さんは、電話ではなく、メールで連絡を取り合おうと、みずから言ったにも かかわらず、メールに返信のないことが、しばしばある。
李さん曰く、
『何たること?』
『障碍と共に生きるなら、メールが良いと言うのなら、こまめに メールチェックする必要、あるでしょう?』
お気持ちは 分かりますが、…
泪なしには 語れない過去を 背負っている 礼子さんは(小学生のとき、学校で 日常的に虐待されていて、その首謀者が、自衛隊上がりの教師だったとか)、
真面目に働いてきたのに、人に責められることが 多いそうで、
結婚前に 不幸が続き、結婚後も 苦労や 挫折の 連続とのこと。
今の話をしていても、気づくと、過去の 辛く悲しい話になっていて、泣いてしまうことが 多いです。
幼いとき、人格形成にかかわる時期に、日常的に『生きてる価値がない』とか『死ね』などと 言われ続け、逃げ場がなかった(救いがなかった)ことによる ダメージが、どれほどのものか、…
先生を目指す方なら、想像してみて下さい。
喩えば、礼子さんは、こんなことを言ったのです。
『ナノハさん(仮名)に、年賀状でも書くから 住所教えてと言ったら、結構ですって言われちゃったわ』
ナノハさんと云うのは、韓流ファンで、華やかで、親切な反面、李さんを 休学に追い込んだ 虐めの張本人です。
私は ナノハさんと、10回くらい手紙(メモ)を 遣り取りしました。
彼女の「天使な面」が、強く大きく出ることを 祈ってです。
でも、彼女が 価値を認めていたのは あくまでも、
『その場のノリ、楽しさ』、『お金』、『センスの良さ』、『上流の暮らし』
私は とても 住所など、聞く気に なりませんでした。(迷惑がられると 分かっていたので)
でも礼子さんは、
ナノハさんの 親切なところ、余裕ありげなところに惹かれ、お友だちになりたかったのでは ないでしょうか?
自分を不愉快にする 全てのものを、容赦なく 排除したがる ナノハさんは まるで、
孔雀の羽根で 身を飾った 猛禽(肉食の危険な鳥)みたいでした。
3ヵ月 同じ教室に通って、ナノハさんの本質を見抜けず、唐突に 住所を尋ねた 礼子さんの 危機管理は、甘すぎです。
苦労の連続だったそうですが、…
拭い切れない悲しみや 自己否定のために、判断力が鈍って、…苦労する縁を、選んでしまっていた可能性が 高い。
「メールチェックしてなくて、心配かけてごめん」くらい言ってほしい?
…多分、礼子さんは、そこまで 気が まわらないのだと思う。
昨日も、昔を思い出して 泣いてらしたもの。
「辛いね」と李さん。
辛いよ。
礼子さんの、自己否定が なくなることを 祈るよ。