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2009年12月1日から
五月のバラ(思い出のバラ)が、ききたいと思っていた。
(オリジナルが 誰かも知らない。ラジオで耳にして、断片的に覚えていた歌)

先月、四谷 蟻ん子に行ったら、
朝吹さんが 1番最初に、その歌をうたって下さった。

とてもうれしくて、その曲と、
しますえさんの1曲目で、
(もう最高!)って、その日は思った。

平素 下手な計算ばかりしている脳を 休めたくて、
歌を聞きに行ったのだから、

目を閉じて(ぼーっと)聞いてても、
(熟睡したり イビキをかいたりせず)
良い! と感じたときに、拍手などの反応を示せれば、
(あの麗しい時空に 自分が存在しても)いいと思うのだけど、

タイトルを覚えきれないのが、ちょっと悔しい。
(また聴きたいと思っても 手がかりがないと、困るではないか)

しますえさんが15曲、朝吹さんが9曲、計24曲も(!)うたって下さったのだから、
タイトルを 覚えきれない おのれの頭を悔やむより、
楽しい時を過ごせた幸運を、感謝しよう。

百円玉を、毎日 積み立てると、
交通費を含めて、2〜3ヵ月に1回は、四谷 蟻ん子に行ける。(計算上は)

生活保護を受けている知人より、厳しい暮らしであっても、
それくらいの楽しみは あっていい。

『楽しむことは 罪悪である』かのように、思ってしまってる私は、
(誰か、友人を よろこばせるため)と云った、免罪符のようなものがないと、
ものすごく不安になる。
(被虐待の後遺症)

先月は 友人2人に誘いをかけたが、
時間がないとのことで、1人で行かざるをえなかった。

とても楽しみにしていたのに、抵抗があった。
(龍宮城に2ヵ月連続で行くような感じ?)
多分、心理療法の治療抵抗みたいなものだ。

ピアノ、…素晴らしかった。(爽快だった)
ベース、…「ふ」と、心を持っていかれそうになるのは 何故?

しますえさんの「愛燦々」や「小さな木の実」や「月の沙漠」が聴けて、うれしかった。

「生きる」の歌詞、
(天国も地獄も 私は信じない)が好き。
それを聞いて、私は 現実に戻った。
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その晩、第1部が終わると、客席からは、
『今夜は すごい』
『圧倒された』
『しびれた』などと言う 声がした。

第2部、第3部が終わると あちこちから、
『今夜は得したわ』と云う ささやきが聞こえた。

しますえ よしおさんの 素晴らしい絵(水彩画と油絵)が たくさん見られて、
3人以上の アーチストによる ショー(歌と伴奏)に 飲み物つきで、4千4百円。
いつ来ても、「お得」に 決まっている。…
(とても渋い私が 言うのだから、間違いない)

それを、あえて『今夜は 得した』とおっしゃる?
市井の人の 暮らしの厳しさが、こんなとこにも(夢を見るための空間でも、言葉に) 現われてしまう?

あの晩の ステージの素晴らしさは、
素人が 言葉に表わせるような レベルでは、なかった。
下手に書いたら、申し訳ないような。…

素人らしく 素直に、
見たこと、聴いたこと、感じたことを、
整理して 書けば 良い(ゆるされる)のか?
箇条書きに?

文字制限のある ブログ(全角2千5百字)では、到底 書ききれない。
けど、何も書かなければ、
厳しい IT環境の下で(容量の小さい PHS 1台で)、ブログを管理している 甲斐がない。…

だから、見て、聴いて、感じたことを、
無理を承知で、2千5百字に 詰め込む。

第1部は、
歌が始まる前の、ピアノと ベースギターの 演奏から、ドラマチックだった。

朝吹タツヤさんの「ドミノ」の 歌詞に、
(ゆるさん= 許そう? 赦す?)

…葉っぱで作った 小舟のような、人だか何だか よく分からない私も、
(ゆるされる かもしれない)気がした。

人には 自然の恵みだけじゃなく、言葉も必要なのだ。
それも、美しい言葉や、優しい言葉、寛容な言葉が。

義務から発した 美辞麗句や、事務的な言葉を 使うだけでは、
人は 元気になれない。

自然で つくろわない言葉、美しい言葉が、
人には、必要なのだ。

(周囲の要求に 応えきれない…
わざわいの種のように 見られることもある…
誠実であろうとして、報われず 汚れてしまった自分も、…
許され 清められる かもしれない。

そんな、幸せな(錯覚のような?)瞬間を、繰り返し 味わうことで、
泥だらけの心も、いつか、洗われる かもしれない)

「人生の扉」と云う歌も、素敵だった。
華やかで切ない、花のようで。

圧巻は、しますえ よしおさんの「鶴」が 聴けたこと。
心底、うれしかった。

しますえさんは、キング だった。
それも、ただの王様ではない。

トランプで云えば、
クラブのキング(力)に、
クイーン(慈愛)と、
ジャック(騎士の優雅さ、若々しさ)と、
エース(英知)を、兼ね備えたような 王様だった。

昆虫のアリには、
蝶の幼虫を 巣に運び込み、育てる種が いるそうだけど、…

四谷 蟻ん子の王様も、たくさんの蝶を 育てていらっしゃるらしい。

第2部では、
朝吹さんの 港の歌と、
しますえさんの「ジョジョ」が 鮮烈だった。

朝吹さんの 海の歌には、説得力があって…
海が恋しい私には、慈雨のよう。

「ジョジョ」は、CDで聞いて 惹きつけられた歌だった。
「銀巴里」時代からの (しますえさんの)ファンから 戴いたCDに、収録されていた。

母国語(日本語)に 自信がない私には、
凝った詩(歌詞)が 分からない。

真剣に聞こう(覚えよう)としても、
難しい言葉ひとつに 足をとられ、前に進めなくなり、
詩の世界に 行けず、単語の海に 沈没して終わることが、けっこうある。(泣)

「ジョジョ」の歌詞は、私には 難解だったけど、
長い間(10年以上)、分からないままに 素直に聴いていた。

作り話ではない、かなしみや、友情(純粋な愛)が、そこにあったから かもしれない。
(察していた訳じゃなく、ボーッと繰り返し聴いて、慰めを得ていた)

今回、曲の解説が聞けて、ありがたかった。
余命宣告された 歌い手が、突然 逝ってしまった 友を悼む歌(実話!)だったとは。

(鎮魂の歌に、
私は飢えている。

穏やかな道を 歩めなくて、
それが 自分の愚かさから そうなっていて、
疲れ果てて 休めなくても、
笑うしかない人間には、

頭の沸騰を 止めてくれるものが、
必要なのだ)

(ここに「ジョジョ」の歌詞を、引用したいけど、…
その為には、ジャスラックに 毎年、千2百円 払わないといけない。

今は、
パトロンが、芸術を守り、育ててくれる世じゃない 気がする。

市井の人間が、爪に火を灯してでも、
良いものは「良い」と語り、
最低でも 3人くらいの人に 宣伝しなくては、
…と思っているので、
好きな歌のために 代金を払うのは、望むところだが、

どうせなら 楽譜も載せたい。
そうなると 金額が倍になる…

それはいいけど、楽譜は どこで 入手できる?
(ジャスラックが 貸してくれる訳じゃない)

PHSからでは、楽譜は入力できない…
パソコンを買わないと 話にならん!
…などと云う 事情により、あきらめる)

第3部では、
桜色の装いの 朝吹さんは、
雪のような、流星群のような ライトの中、
雪や星や、北国の歌を うたって下さった。

しますえさんは 黒で決めていて、
(シャツとチーフの白も 美しかった)

軽快な歌や、
「かくも長き不在」の挿入歌や、
(その映画を 私は まだ見たことがない)
カンツォーネ?

…最後に「時計」を うたって下さった。
「時計」は、魔法から醒めるのに、ちょうどいい歌だった。

美しい旋律と、切ない歌詞と、
しますえさんの声と、
ピアノの音と、ベースギターの調和。

しますえさんは、四谷の シャンソン国の国王陛下。
「群青」は うたっても、
「津軽海峡・冬景色」は うたわれない。
(けど、育てた蝶(?)が 演歌をうたうことは、容認なさっている)

客席の壁が、鏡で出来ているのは、
奥行きを出すため だと思うけど、…
多分、魔除けにもなっている。

しますえさんの絵を うっとり見ていたら、…
メデューサ(見たものを 石に変えてしまう怪物)と、目が合いそうになった。
…鏡に映った 自分だった。
先日の四谷 蟻ん子。
朝吹タツヤさんの1曲目、ドミノ!
あまりの嬉しさに、硬直してしまった。

聴き手は 殆ど、シャンソンのファン、…
しますえ・よしおさんと、朝吹タツヤさんの ファンだったと思う。

ほぼ満席だった。
(60人くらいが 聴きに来ていた)
幕間に、しますえさんの素晴らしさを 熱く語り合う人が いたりして、家族的であたたかい。

その晩は 私も、「魔法に かかりに行った」気がする。
(束の間、現実を忘れ、心と脳を ゆるめたいと)
しかし、そうは問屋が卸さなかった。

1曲目に 自分の大好物(メインデッシュ)が来て、びっくり仰天した私は、
心に背負った よろいかぶとや 武器を、外しそこねた。…
(アルバムなどの曲順では、もっとも重要な曲を 2番目にすると、聞いたことがある。その意味が 分かったような気がする)

優しいお声の しますえさんの、ネクタイとチーフの スミレ色が、白い衣装に 映えていた、…
朝吹さんは、満天の星のような装い(黒地に白の水玉模様のシャツが 素敵に似合ってらした)、…
ベースギターを奏でる人の、絵になる たたずまい、…
端正に 場を整えながら 躍動していたピアノ、…
(どれほどの練習量だろうなどと、考えてしまったが)
穏やかな、心なごむ時間だったことは、間違いない。

慢性の睡眠不足も手伝って、中盤以降は、
脳の興奮も収束し、…
しますえさんと朝吹さんの 区別もつかなくなり、曲名も分からなくなり、…
(楽しいからいい)と、思うに至った。

お店を出たら、正気に戻って、
地下鉄とJRを乗り継いで、駅と駅の間にある 駐輪場まで歩いて行って、軽車両(自転車)を 安全に運転して、帰宅せねばならない。

しかし、われにかえったのは、地下鉄の駅近くの路上。
(上着を忘れた)

ずれてかかった魔法は、とけるのも遅かった。…
(でも 駅の手前で 助かった)
空腹で、餓死も覚悟するようになった今月。
ヘラヘラ笑い(道化よろしく)、半分 途方に暮れていた 先日。

路上にいたのは、美しい生き物(カマキリ)。
もしも 私が、前だけを見て(遠くの目標だけを見て)、軽車両で暴走していたら、
カマキリを、踏み潰していたかもしれない。

ヒトノコより、カマキリに 親しみを感じる 私とて、
カマキリが 死角にいたら、殺傷しかねない。
カマキリは小さく、ヒトノコ(自分)は 重い。

先日 私が、カマキリと、平和に出会えたのは、
私が、空腹に慣れていたからだ。
(空腹も 捨てたものではない?)
(道路を横断中の 虫を踏み潰す 不愉快を、…回避できた)

手袋をはめ、道路に かがみ込みながら、私は、
つかの間 迷った。
(背中をつかんで 持ち上げようか?)

否、カマキリの脇から 手を近づけ、
彼の方から、手袋に乗ってくるのを待った。

道路にしゃがんで 虫と遊んでいたら、
自分(ヒトノコ)も また、通りがかった自動車に、踏み潰される 可能性があった。
(幸い、カマキリが 手に乗るまで、自動車は やって来なかった)

…私は 長い間、休むことが叶わず、死にたかった。
…休めないのなら、死にたかった。

車道に佇む (疲れ果てた)カマキリと、
休めなくて 死を願い続けた ヒトノコ(私)は、同類だった。

手塚治虫先生が、ブラック・ジャックに与えた 黒星(失策)を、私は 思い出す。

患者は、【休みたくて、自爆事故を起こした少女】だった。
ブラック・ジャックは、彼女の 心を診ず、体だけを回復させ、
彼女を 死に追いやる。
天才の、おごり(油断)か。…

回復して、引き取られてゆく少女は、
何度も ブラック・ジャックを振り返り、
「先生…」と、つぶやいていた。
翌日、自殺することを、わびるかのように。(泪)

『おごれる先生』も、『馬車馬のような、息つく暇なき労働者』も、
漫画の中だけでたくさん!

あの日、疲れ果てたカマキリを、私は、
強引に『助けよう』とは、しなかった。

莫迦みたいに 道路に這いつくばって、彼(カマキリ)の 下僕のように、身を挺した。

あれは、見る人によっては、
莫迦げた 戯れ だったろう。
でも、私には、何か 啓示のようだった。

虫1匹でも、相手の命を尊び、
「無駄死に させたくない」と、思ったなら、
われを忘れて(命を惜しまず)、相手の意を汲むべしと。

相手の意に添わない『救助』を 強行すれば、相手の怒りを買い、逆襲されるのだと。
(あの日は、鎌を 突き立てられた)

弱っていても、相手は 奴隷ではない。
意思もあれば、尊厳もあるのだった。
虫でさえ、そうなのだ。
まして、ヒトノコであれば。

ヒトノコが 自尊心をなくし、自己犠牲の罠に堕ち、…
疲労困憊していて、…
あろうことか、攻撃してきたとしても、…

「相手の力になる」
「相手の回復する力を信じ、それを支援する」と決めたら、
迷わず、相手の乗り物、踏み台に なるべしと。

そして、感謝の言葉や、恩返しなどは、ゆめゆめ期待せず、
ただ その出会い(戯れ)を、よろこぶが良いと。…
空腹をなだめつつ、軽車両(自転車)を 適当に走らせた。
パートタイマーの昼休み。
立冬の頃、午後4時過ぎ。

路(アスファルト)上に たたずむ、褐色の大カマキリに出会った。
(道路を横断中?)
微動だにしない。
(こんな処で 休んでたら、車にひかれてしまう)

軽車両を 路肩に停めた ヒトノコは、綿手袋をはめ、道路に かがみこむ。
カマキリの両脇から、両手の平を近づける。
腹部だけ、鮮やかな黄緑色だった。

手袋に乗ってきた カマキリは、…じっとしていない。
ヒトノコの 右手から 左手へ、また右手へ、…

大きな前足(カマ)を、地肌に 突き立てられたくない ヒトノコは、
カマキリが、手袋を乗り越えようと(上腕に這い上がって来ようと)するたびに、
もう片方の(手袋で覆った)拳や指先を、カマキリに 差し出す。
(カマキリが 動き続けるので、延々と 繰り返した)

前カゴに 重いバックを乗せた 自転車を、片手で操作しながら、…
動き続けるカマキリを 護送(?)する真似を 続けていたら、
休み時間なのに、疲れてしまった。
(自転車を 手で押して 歩きつつ、右手には 動きまわるカマキリ)

線路脇の金網から、草花が はみ出していた。
ここでどう?

「・・・」
金網に移った カマキリは…
(不満足そう)
ヒトノコが 適当に選んだ場所で、固まっている。
ヒトノコが 見上げる位置(地上160センチ弱)に、留まったまま。
(気に入らないのね?)

再び 右手に移して(乗せて)、軽車両を 杖にして、歩き出すヒトノコ。
(あたっ)

手袋してても、手の甲に、大きな 前足(カマキリのカマ)が 当たり、痛い。
(さっきまでは、痛くなかったのに…)
(線路際の金網に 立てかけられたのが、よほど不快だったらしい?)

しばらく行くと 畑があり、道路脇に ツゲの生け垣があった。
(ここでいい?)
手を差し入れてみる。
(良かったらしい)
早速、垣根の奥に、移動するカマキリ。
(ほっ)

荒れはてた庭(に 見えるが、実は、災害時の アパートの避難用通路。草花や野菜を 繁茂させては、いけないことになっている場所)に、
久しぶりに 足を踏み入れたら、…
物干しの下の たたき(コンクリート)の裂け目から、白花菜(ギナンドロプシス)が 咲いていた。

最近、布団は 室内に干し、洗濯物は 台所に干し、洗濯機は使わず、南の窓は 閉めきっていたので、…
この 愛しい夏草が、(1株だけ)育っていたことを、知らずにいた。

花の盛りは 過ぎていて、インゲンを小さくしたような実が、青々と伸びていた。

このコンクリートの裂け目に、
過去、何度か 白花菜は 芽を出したが、殆どが 大きくならずに枯れた。
(根が深く、充分に張れないと、育たない)

厚いコンクリートの わずかなヒビ割れから、
立派な 白花菜を、拝める日が 来るとは。…
(去年もだったか?)

今年の夏は、軒下をドクダミが占拠していた。
(完全に除草してしまうと、土が剥き出しになり、ホコリっぽく、見た目も殺伐となるので、災害時に困らない程度に、緑の絨毯にしておきたい 住人のエゴ)

プランターに(白花菜の)種を蒔く ゆとりもなかったから、…
今年は、この花を あきらめていた。
(思いがけず会えて、うれしい)

「カポカポ」
「アワワ」
「ア〜ア」
カラスの声、面白すぎ。
(笑ってしまう)

ピョンピョン、跳んで歩く雀。
(楽しそう)

民家の前に 置かれた、自転車の前に 座っていた、尻尾の長い黒猫。
(絵になるなぁ)

楽しい奴等よ、ありがとう。
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